演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

肺癌術後骨転移例における、転移形式とEGFR遺伝子変異との関係

演題番号 : O44-6

[筆頭演者]
茜部 久美:1 
[共同演者]
嶋田 善久:1、野木 沙眞:2、垣花 昌俊:1、梶原 直央:1、大平 達夫:1、赤田 壮市:2、池田 徳彦:1

1:東京医科大学病院 呼吸器外科、2:東京医科大学病院 放射線科

 

【背景】肺癌術後再発は治癒が見込めず、臓器別では,骨転移は著しく予後不良とされる。骨転移形式には溶骨性、造骨性、それらの混在性がある。原発臓器によって優位な骨転移形式があり、肺癌では一般に溶骨性が多いとされるが、造骨性変化を示す例も少なからず認められ、EGFR遺伝子変異陽性例が多いとの報告もある。今回、画像上の骨転移形式の違いと予後・臨床的諸因子・EGFR遺伝子変異発現との関連性について検討した。【方法】2002-2012年に当院で切除された非小細胞肺癌のうち、術後骨転移を認めた症例を抽出した。放射線科医2名がCTの所見から骨転移形式を溶骨性(L)、造骨性(B)、混在型(M)に分類し、その結果と予後および臨床病理学的因子との相関性について解析した。CT上骨転移が指摘できないものは解析より除外した。【結果】非小細胞肺癌切除2027例中、骨転移は52例(2.6%)に認められ、CT上骨転移形式の評価可能であったのは44例(2.2%)であった。男性28例、年齢中央値64歳、腺癌39例、術後全生存期間中央値31.6か月であった。骨転移形式ではL:26例(59.1%)、M:13例(29.5%)、M:4例(9.1%:LB同等なもの2例、L優位なもの2例)、LからBへ転じたものが1例(2.3%)であった。全生存期間中央値はL 32.5か月/B群30.7か月であった(p=0.781)。骨転移発見後の生存期間はL 14.0か月/B 16.1か月であった(p=0.451)。EGFR遺伝子発現を検索した23例中Lの遺伝子変異陽性率47%に対しB:88%(p=0.086)であり、陽性例はBに多い傾向がみられた。【まとめ】前立腺癌の造骨性転移はWnt/βカテニン経路の影響があるとされ、肺癌においてもEGFR遺伝子発現と同経路の関連についての報告がある。本研究の結果より、CT所見上の造骨性骨転移例にEGFR遺伝子変異陽性例が多い傾向にあり、肺癌造骨性転移発症のメカニズムにEGFR遺伝子が影響している可能性があることが示唆された。

キーワード

臓器別:肺・縦隔・胸膜

手法別:遺伝子診断

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