演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

前立腺生検でGS6と診断された前立腺全摘術施行患者における治療アウトカムの検討

演題番号 : O43-3

[筆頭演者]
佐倉 雄馬:1 
[共同演者]
末永 武寛:1、松岡 祐貴:1、加藤 琢磨:1、平間 裕美:1、林田 有史:1、田岡 利宜也:1、常森 寛行:1、上田 修史:1、杉元 幹史:1、筧 善行:1

1:香川大医病 泌尿器・副腎・腎移植外科

 

【目的】2001年以降当院で前立腺針生検Gleason Score(GS)6と診断された限局性前立腺癌症例に対して、前立腺全摘術(RP):80例、放射線外照射(3DCRT): 11例、小線源治療: 80例、active surveillance(AS): 45例、内分泌療法: 7例が施行されていた。近年、前立腺全摘術の治療アウトカムに生検コア陽性率(生検陽性本数/生検本数)が影響すると報告されているため、今回RP施行患者のうち針生検でGS6と診断された症例に限定して、生検コア陽性率とGleason upgrade・pT stage・生化学的再発の関連についてretrospectiveに検討した。【対象と方法】2001年11月から2012年12月に、針生検でGS6と診断を受け前立腺全摘術を施行された80名(開放手術: 51例、腹腔鏡手術: 29例)を解析した。年齢中央値68歳(53-78歳)、生検時PSA中央値7.13ng/ml(4.02-72.68ng/ml)、生検コア陽性率(生検陽性本数/生検本数)中央値24.5%(2.1-100%)、臨床病期cT1c: 56名・cT2: 24名、DAmicoリスク分類low risk: 53名/intermediate risk: 20名/high risk: 7名、観察期間中央値は43か月であった。【結果】全摘標本の病理組織検査結果はGS6: 29例、GS7: 43例、GS8-10: 8例であり、63.8%でGleason upgradeがあった。PSA(PSA<10 vs PSA≧10)、cT stage(cT1c vs cT2)でGleason upgradeの症例の割合に統計学的有意差がみられたが(p=0.005・p=0.014)、生検コア陽性率(陽性率<33% vs 陽性率≧33%)は関連が見られなかった(p=0.415)。 pT stageはpT2以下: 61例(76.3%)、pT3以上: 19例(23.7%)であった。pT stageでは、PSAが高値群(PSA≧10)で有意にpT3症例の割合が多かった(p<0.001)。cT stage・生検コア陽性率は関連が見られなかった(p=0.537・p=0.592)。 生化学的再発(PSA>0.2)は26名(32.5%)で観察され、救済治療により癌死症例は無かった。生化学的再発をKaplan-Meier法で検討すると、PSAでは有意差が観察され(log rank test: p=0.039)、cT stage・生検コア陽性率では有意差は無かった(p=0.535・p=0.171)。【考察】生検時GS6の症例に限定するとGleason upgrade・pT stage・生化学的再発と生検コア陽性率は関連が見られなかった。他の報告と比べるとGleason upgradeの割合が高い結果であったが、臨床的に生物学的悪性度が低いと外来主治医が判断した症例がAS群に集まるなど、前立腺全摘施行症例にselection biasがかかっていることが一因と考えられた。

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:手術療法

前へ戻る