演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

泌尿器科開腹手術における術後回復強化プロトコールの試み

演題番号 : O43-2

[筆頭演者]
川村 研二:1 

1:恵寿総合病院 泌尿器科

 

【はじめに】術後回復強化プロトコールは、慣習に基づいた周術期管理方法を廃し,エビデンスのある対策を集め,手術侵襲の軽減,手術合併症の予防,術後の回復力強化,入院期間短縮,および経費節減を目指したプロトコールである。泌尿器科開腹手術に術後回復強化プロトコールを導入したので報告する。【対象と方法】平成24年12月から平成24年3月までの4ヵ月間に行った5-9cmの切開創の開腹手術12例(腎部分切除術:2例,前立腺全摘除術:10例)を対象とした。患者には入院前に2回,入院後に1-2回カウンセリングを行い,家族には入院前に1回,入院後に1回カウンセリングを行い,病状,術後のアウトカム,周術期の合併症,術後回復強化プログラムの重要性について説明した。主治医がカウンセリングを行い,看護師が同席した。説明時間は約10-20分間で,スライド,ビデオを用いた。手術前日夕食まで常食摂取,術前の消化管処置は行わず,緩下剤も服用せず,手術前2時間前までOS-1を摂取した。間欠的空気圧迫法と弾性ストッキングを用いた。抗菌薬の投与は,執刀30分前に第1世代または第2世代セフェム系抗菌薬を投与し,手術開始3時間後に追加した。術後に抗菌薬投与は行わなかった。【慣習的行われていた周術期管理との違い】1.手術前日朝食まで常食摂取,0時まで清澄水摂取を手術前日夕食,手術2時間前まで清澄水摂取(術前の絶食期間を11時間短縮)2.手術翌朝:術後15-16時間目の離床を手術当日:術後4時間目(離床・歩行開始を約11時間短縮)3.手術翌日15時から清澄水摂取を術後4時間目(術後の飲水を約18時間短縮)4.手術翌日夕から常食摂取を翌朝7時に朝食(術後の常食摂取を約11時間短縮)【結果】全例,全身麻酔で手術を行ない,前立腺全摘除術では自己血400ccを輸血した。手術中に重篤な合併症は認めず,出血量は平均112mlであった。全例で,術後3-4時間目の早期離床と飲水,術翌朝の常食摂取,術翌日のドレーン抜去・シャワー浴が可能であった。術後にイレウス,出血,循環不全等の合併症は認めなかった。第1排ガス時間と第1排便時間の平均値は16.0時間,44.3時間であった。【結語】術後回復強化プロトコールという概念をカウンセリングにより患者とともに理解し,低侵襲の手術を実行することによって,従来よりも早期に離床,食事等が可能であった。

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:手術療法

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