演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

淡明腎細胞癌に対する根治術後の非再発生存期間と内臓肥満の関連性

演題番号 : O41-5

[筆頭演者]
金子 剛:1 
[共同演者]
宮嶋 哲:1、弓削 和之:1、矢澤 聰:1、長谷川 政徳:1、水野 隆一:1、菊地 栄次:1、陣崎 雅弘:2、中川 健:1、大家 基嗣:1

1:慶應義塾大学医学部 泌尿器科学教室、2:慶應義塾大学医学部 放射線科学教室

 

【背景】肥満は腎細胞癌の発生における確立した危険因子であるが、肥満と腎細胞癌の予後の関連は充分に解明されていない。Body mass index(BMI)を肥満の指標として、腎細胞癌の予後との関連を検討した報告が散見されるが、統一した見解を得られていないのが現状である。BMIは簡便に計算可能であり、広く用いられる指標であるが、脂肪と筋肉、および内臓脂肪と皮下脂肪の鑑別をすることはできない。近年、内臓脂肪は癌の増殖、進展に関与する種々の液性因子を分泌する最大の内分泌臓器であるため、肥満と癌の予後の関連は、内臓肥満の程度によって検討するべきであると考えられている。淡明腎細胞癌に対する根治術後の非再発生存期間と内臓肥満の関連性について検討した。【対象と方法】淡明腎細胞癌に対し根治術を施行した241例(腎摘除術:151例、腎部分切除術:90例)を対象とした。脂肪のCT値を-190~-30HUと定義し、術前CTで臍レベルの内臓脂肪面積(Visceral fat area(VFA))を算出した。年齢、性別、BMI、VFA、術前CRP値、Fuhrman nuclear grade、pathological T stage(pT stage)、腫瘍径、微小血管浸潤と非再発生存期間の関連をCox比例ハザードモデルにて検討した。【結果】平均BMI、VFAは、それぞれ23.6kg/m2、123cm2であった。平均観察期間35.6ヶ月に、28例(11.6%)に再発を認めた。High VFA群(≥120cm2)、low VFA群(<120cm2)の5年非再発生存率は、それぞれ88.7%、71.0%であった(log rank test、P = 0.043)。多変量解析で、low VFAは、術前CRP値、Fuhrman nuclear grade、pT stage、腫瘍径、微小血管浸潤と同様に再発を予測する独立因子であった(P = 0.042、Hazard ratio = 1.974)が、BMIは再発を予測する独立因子ではなかった。pT1およびpT2症例(organ confined RCC)を対象としたサブグループ解析においても、high VFA群の非再発生存率はlow VFA群と比して有意に低く(5年非再発生存率:92.0 % vs. 74.7%、P = 0.042)、多変量解析でlow VFAは、Fuhrman nuclear grade、微小血管浸潤と同様に再発を予測する独立因子であった(P = 0.038、Hazard ratio = 2.807)。【結語】内臓肥満は淡明腎細胞癌に対する根治術後の良好な非再発生存を予測する独立因子であった。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:手術療法

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