演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

分子標的時代における転移性腎癌に対するcytoreductive nephrectomyの意義の検討

演題番号 : O41-3

[筆頭演者]
今井 健二:1 
[共同演者]
近藤 恒徳:1、高木 敏男:1、小林 博人:1、飯塚 淳平:1、橋本 恭伸:1、池澤 英里:1、吉田 一彦:1、大前 憲史:1、田邉 一成:1

1:東京女子医科大学 泌尿器科

 

【目的】Cytoreductive nephrectomy(CN)は転移性腎癌における標準的治療と位置づけられているが、そのエビデンスは免疫療法時代の結果からのもので、分子標的時代にもCNに治療的意義があるのかは、まだ明確には示されていない。今回当院における分子標的治療に併用された、CNの影響について検討した。
【方法】2008年から2012年の間に、初回診断時より遠隔転移を伴った進行性腎癌と診断され分子標的治療を導入された全62例、そしてその内のMSKCCリスク分類によるIntermediate risk群とPoor risk群における、CN併用群とCN非併用群の全生存期間(overall survival:OS)と、使用された全薬剤の無増悪生存期間(progression free survival:PFS)の合計をそれぞれ比較検討した。同様にCN併用群では、CN後に分子標的薬が導入されたupfront CN群と、CN前より分子標的薬が先行投与されていたdelayed CN群の比較検討も行った。
【結果】年齢の中央値は64.5歳、性別は男性46例(74.1%)、女性16例(25.9%)であり、First lineとして使用された分子標的薬はsorafenib:21例、sunitinib:31例、temsirolimus:6例、pazopanib:4例であった。
カプランマイヤー法におけるOSの中央値はCN併用群41例(66.1%)で17.1ヶ月、CN非併用群21例(33.9%)で8.5ヶ月、PFSの中央値はCN併用群で14.2ヶ月、CN非併用群で5.6ヶ月であり、共にログランク検定でも有意な差が確認された(P<0.01)。
更にIntermediate risk 41例のOSの中央値はCN併用群27例で26.9ヶ月、CN非併用群14例で13.4カ月(P<0.01)、PFSの中央値はCN併用群で15.1ヶ月、CN非併用群で9.6ヶ月(P<0.01)であり、Poor risk 21例のOSの中央値はCN併用群14例で11,9ヶ月、CN非併用群7例で4.8カ月(P=0.017)、PFSの中央値はCN併用群で9.0ヶ月、CN非併用群で1.8カ月(P=0.023)とこれらも有意差を認めた。
また、CN併用群の分子標的薬の先行投与の有無の比較では、OSの中央値はupfront CN 群31例で17.4ヶ月、delayed CN群10例で14.8ヶ月(P=0.712)、PFSの中央値はupfront CN 群で11.8ヶ月、delayed CN群で14.2ヶ月(P=0.677)であり、こちらはともに有意差を認めなかった。
【考察】転移性腎癌に対する分子標的治療においても、CNは予後延長に有意に影響する可能性が高い。このため分子標的薬の時代になっても、積極的にCNを施行するべきであると思われる。また全身治療を先行した場合でもCNを途中で行う事が予後延長につながっている可能性がある。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:手術療法

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