演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

小径腎細胞癌に対する腹腔鏡下腎部分切除術

演題番号 : O41-2

[筆頭演者]
穴井 智:1 
[共同演者]
青木 勝也:1、辰巳 佳弘:1、大塚 憲司:1、後藤 大輔:1、千原 良友:1、鳥本 一匡:1、田中 宣道:1、吉田 克法:1、藤本 清秀:1

1:奈良県立医科大学 泌尿器科学教室

 

[目的] 小径腎癌に対する腎部分切除術は腎摘除術と同等の予後を期待でき、当施設では腎機能を最大限の温存を目指して、無阻血での腎部分切除術を施行してきた。近年、内視鏡デバイスの急速な発展に伴い、整容性や術後QOLに優れた腹腔鏡手術も可能となり、無阻血下腎部分切除術においても、従来の腹腔鏡手術以外に単孔式腹腔鏡手術も導入してきた。今回、当科で行ったマイクロ波凝固装置(MTC)による腹腔鏡下無阻血腎部分切除術の治療成績について検討した。[対象と方法] 対象はMTCを用いた腹腔鏡下無阻血腎部分切除術を施行した腎細胞癌40例で、うち14例は単孔式腹腔鏡手術を施行した。患者背景は、男性25例、女性15例、平均年齢65±10 (33~81)歳で、平均BMIは23±3(17.4~27.5)kg/cm2であった。全例が術前腎機能の正常な選択的症例であった。腫瘍背景は、T1a:39例、T1b:1例で、平均腫瘍径2.1±0.6 (1.0~4.0) cm、患側は右側20例、左側20例で、腫瘍部位は下極28例、中部12例であった。到達法は、経腹膜アプローチが3例、後腹膜アプローチが37例であった。[結果] 平均出血量109 ml (中央値7.5ml: 0~750ml)、平均手術時間198分(中央値183分: 120-331分)であった。術中輸血を施行した症例はなく、1例のみ術中腎盂腎杯の開放を認めたが、術後尿漏は認めなかった。術後の画像検査で局所再発や遠隔転移を認めた症例はなく、腎レノグラムで比較した術前GFRは61±19(22~94)ml/min に対し、術後1カ月では57±20(20~96)ml/minであり、術前後で有意な腎機能低下は認めなかった。また、単孔式手術のみでの平均手術時間は195(124~282)分であり、従来法と比べ手術時間の延長はなく、術後合併症もなく安全に施行できた。[考察] 外方突出型の小径腎癌に対しては、MTCによる無阻血での腹腔鏡下腎部分切除術が安全に施行でき、確実な腎機能温存が可能で、制癌効果についても開腹手術と差はなかった。MTCを用いた腹腔鏡下無阻血腎部分切除術は低侵襲かつ安全であり、症例を選択して積極的に選択すべき術式である。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:手術療法

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