一般演題(口演)
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小径腎細胞癌に対する手術選択 演題番号 : O41-1
1:徳島大院 泌尿器科
緒言:以前より腎細胞癌に対する根治的治療は腎摘除術がstandardであったが、近年小径腎細胞癌に対する手術療法は各種ガイドラインに推奨されているように腎部分切除がstandardとなってきている。今回徳島大学泌尿器科における小径腎細胞癌に対する外科的治療方法と成績を検討したので報告する。対象と方法:当教室で2005年から2012年の間に手術加療を施行した延べ139例のcT1aの腎細胞癌症例を対象とした。全例外科的治療を行い、そのうち腎部分切除は76例(開腹27例、鏡視下49例)であった。各術式間の腎機能温存率、阻血時間、合併症などをRENALscoreとの関連も踏まえて比較検討した。結果:術中輸血を要した症例はなく、1例に腎動脈狭窄が術後発症した。現在まで再発を認めた症例はVHL病以外では1例しか認めていないが転移巣を切除することにより良好な経過を得ている。各術式間に出血量に有意差は認めなかった。鏡視下腎部分切除は開腹腎部分切除に比べ有意に阻血時間、手術時間が長かったが、術後の腎機能温存率には差は認めなかった。このことは開腹にて腎部分切除を施行した症例は腫瘍サイズ、埋没割合などが大きかったことがうかがえ、残存腎実質が少なくなることが阻血時間の差より術後の腎機能に影響を強く与えることを示唆していると考えられた。またRENALscoreが高いほど手術時間、阻血時間、出血量が多い傾向を認めた。以上よりRENALscoreは実用性の高い指標であると考えられた。まとめ:2013年からはロボット支援腹腔鏡下腎部分切除も開始しており今後さらに症例を増やし長期的な予後の差も検討する予定である。
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