演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

乳癌脳転移巣におけるHER-2の再評価とtrastuzumabの役割について

演題番号 : O4-2

[筆頭演者]
沖田 典子:1 
[共同演者]
成田 善孝:2、鈴木 強:1、有田 英之:2、宮北 康二:2、大野 誠:2、渋井 壮一郎:2、丸野 元彦:1

1:大阪府立成人病センター 脳神経外科、2:国立がん研究センター中央病院 脳脊髄腫瘍科

 

【目的】乳癌の治療は化学療法剤の進歩や分子標的薬などの開発により多様化し予後の改善が認められるようになっている。しかし、脳以外の臓器転移の予後の改善は認められているが、脳転移は化学療法への抵抗性が出現する経過の後半部分に認められることが多く、依然として予後不良因子となっている。ホルモンレセプターとHER-2の発現は治療経過によって原発巣と転移巣で変化することが知られている。本研究では、初発乳癌で経過中に脳転移をきたした症例に対し、臨床像、ホルモンレセプターとHER-2の発現の変化と予後との相関を検討した。【対象と方法】1983~2011年に治療を開始した初発乳癌で2000~2012年に脳転移をきたし摘出術を行った62例を対象とし、臨床像、病理診断、Estrogen receptor(ER)、Progesteron receptor(PR)、HER-2の発現の変化と予後について検討した。【結果】初発乳癌の女性59例男性3例で初発時年齢中央値45.5歳、脳転移時年齢中央値51.0歳であった。初回脳転移までの期間中央値4.0年、2回目の脳転移再発までの期間中央値0.6年であった。全生存期間中央値(MST)6.5年、脳転移後の生存期間中央値1.1年であった。ER、PR、HER-2の変化は17人(29.3%)で認められた。原発巣でHER-2(-)症例のうち11.8%が脳転移巣でHER-2(+)に変化していた。脳転移巣でHER-2(+)であり、脳転移後にもtrastuzumabを投与されていた症例では経過中に癌性髄膜炎を認めず、HER-2(+)でtrastuzumabを投与されなかった症例とHER-2(-)症例と比較し、脳転移後の生存期間が有意に長かった(p=0.0005)。【結論】原発巣、脳転移巣でER、PR、HER-2の変化は17人(29.3%)で認められ、脳転移巣でHER-2(+)症例で脳転移後もtrastuzumabを投与することで予後が良く、脳転移巣でのHER-2の発現の再評価が有用であることが示唆された。

キーワード

臓器別:脳神経

手法別:集学的治療

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