演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

癌性胸膜炎に対し胸膜癒着術を施行した再発乳癌症例の検討

演題番号 : O39-3

[筆頭演者]
大場 崇旦:1 
[共同演者]
家里 明日美:1、岡田 敏宏:1、花村 徹:1、渡邉 隆之:1、金井 敏晴:1、前野 一真:1、伊藤 研一:1、天野 純:2

1:信州大病 乳腺内分泌外科、2:信州大病 外科

 

【はじめに】癌性胸膜炎発症後の乳癌の予後は極めて不良とされているが,近年の薬物療法の進歩に伴い,癌性胸膜炎による癌性胸水貯留に対して胸膜癒着術を施行した後,長期間生存する症例が経験される.【目的】胸膜癒着術を施行した症例を後方視的に解析し長期生存例の臨床病理学的特徴を解析する.【対象】2000年1月-2012年12月に当科で加療した進行再発乳癌で,癌性胸膜炎による癌性胸水貯留に対して胸膜癒着術を施行した17例.【結果】乳癌診断時の年齢の中央値は53(33-73)歳,臨床病期はIA 1例,IIB 2例,IIIA 5例,IIIB 1例,IIIC 3例,IV 4例,不明 1例。IV期の1例を除く16例で原発巣の切除が施行されており,ER+/HER2- 10例(58.8%),ER+/HER2+ 2例(11.8%),Triple negative 4例(23.5%),不明 1例(5.9%)であった. 初診時から癌性胸水出現までの期間は,中央値44.5ヶ月(6-324).癌性胸水出現までの薬物療法レジメン数中央値は,化学療法3レジメン(0-7),内分泌療法2レジメン(0-5)であった.胸膜癒着術にはピシバニールが14例,ブレオマイシンが3例で用いられており,癒着術後に再ドレナージを要した症例はピシバニール群で4例(28.5%),ブレオマイシン群で2例(66.7%)あり,有意差は認めないもののピシバニール群で再ドレナージ施行率が減少していた(Χ2検定p=0.21).胸膜癒着術後の観察期間中央値は9ヶ月(1-26)で14例が原病死,3例が生存している.死亡例での胸膜癒着術施行後の生存期間中央値は6.5ヶ月(1-21)で,癒着術後の生存期間はER+/HER2- 12.0ヶ月,ER+/HER2+ 7.8ヶ月,Triple negative 7.3ヶ月で,ER+/HER2-症例はTN症例に比べて,統計学的有意差は認めないものの,胸膜癒着術後の生存期間が長い傾向を認めた(log-rank検定 p=0.06).現在3例が生存中で(観察期間7-26ヶ月),うち2例は2年以上生存しており,いずれもER+/HER2-である.【考察】ER+/HER2-症例は他のサブタイプに比し,癌性胸膜炎発症後の予後は比較的良好で,長期生存例も認められた.増えてきた治療選択肢を十分に使用するためにも,適切な胸膜癒着術などの支持療法を行いADLの改善を図り,後続の治療を速やかに施行していくことが必要と考えられる.

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:支持療法

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