演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

乳癌に対するBevacizumab併用化学療法の治療成績と合併症対策

演題番号 : O39-2

[筆頭演者]
高原 祥子:1 
[共同演者]
吉本 有希子:1、萩原 里香:1、山内 清明:1

1:公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院 乳腺外科

 

【背景】承認以降当院でも乳癌に対してBevacizumab(以下Bev)併用化学療法を行い、良好な成績を得ている。一方で重篤な有害事象を来たし、治療の思わぬ中断や中止を余儀なくされる症例も少なくない。【目的】当院での乳癌に対するBev併用化学療法使用成績(第50回総会時より症例数の増加を受けて傾向に変化が生じている)と、経験した有害事象とその対応策について報告する。【対象】2011年12月~2013年4月にBev併用化学療法を施行した進行再発乳癌患者36名、年齢30~77(中央値60)歳、女性。intrinsic subtypeはluminal A/luminal B/HER2 type/triple negative(TN)=11/11/5/9例。再発後平均レジメン数4.9(1~16)。再発後1次治療/2次治療/3次治療以降(前治療数4-15)=6/5/25例。16例はzometaも同時併用。Trastuzumab同時併用例はなし。Taxane既治療例は26例。【結果1】投与回数1~10クール、抗腫瘍効果はCR/PR/SD/PD=2/21/4/9、奏効率63.9%。intrinsic subtype別奏効率luminal A/luminal B/HER2/TN=72.7/63.6/80.0/44.4%。Taxane未治療群では1/9/2/1例、奏効率76.9%、Taxane既治療群では1/9/2/1例、奏効率56.5%。Taxane治療歴の有無ではこの2群間に有意差が<0.05で認められた。【結果2】Grade3以上の有害事象で治療が中断中止したのは13例で、うち好中球減少3例、蛋白尿3例、創傷治癒遅延3例、他気胸、肺化膿症、末梢神経障害、口内炎各1例ずつであった。他癌腫で問題となった出血や穿孔は認めなかったが、創離開や気胸例では待機だけでは改善しないことが多かった。気胸に対しては気管支鏡下にシリコン性充填剤(Spingot)を用いて責任気管支の充填術を4ヶ月間施行し、有効であった。【まとめ】Bev併用化学療法は高い奏効率を示すと同意に重篤な合併症を来たす事がある。治療を合併症で中断すると再燃をきたす可能性が高く、特に創傷治癒遅延に関しては特別な対応が必要な場合があった。Subtype別ではTN type での奏効率が悪く、他3群間の効果に大きな差はなかった。Taxane未治療群と既治療群の効果比較では、未治療群の方が奏効率・奏効期間ともに有意に勝っていた。【考察】乳癌に対するBev併用化学療法は重篤な副作用の頻度が高い一方で、無増悪生存期間の改善が認められている。どの症例に選択すべきか、Bev投与後の効果維持をどうすべきかなどいまだ検討を要する。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:化学療法

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