演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

センチネルリンパ節転移陽性時の腋窩非郭清例の予後

演題番号 : O38-5

[筆頭演者]
水藤 晶子:1 
[共同演者]
中島 一毅:1、石田 尚正:1、平林 葉子:1、高岡 宗徳:1、深澤 拓也:1、林 次郎:1、繁光 薫:1、浦上 淳:1、吉田 和弘:1、山辻 知樹:1、森田 一郎:1、羽井佐 実:1、猶本 良夫:1、園尾 博司:1

1:川崎医科大

 

はじめに The American College of Surgeons Oncology Group Z0011 trialの結果から、最近の乳癌手術ではセンチネルリンパ節生検転移陽性の場合の追加郭清の必要性が議論されている。これは腋窩リンパ節郭清により発生しやすくなる術後リンパ浮腫、上腕挙上の制限、腋窩部の陥没などの術後合併症が、患者QOLを著しく低下させるからである。すでに国内で広く参考にされるSt.Gallenのミーティングでは、2個までの転移であれば、非郭清を容認する方向が示唆されているが、これは乳房温存手術で腋窩部を含めた放射線療法が行われることが前提となっている。しかし、臨床医にとっては腋窩郭清を回避することが重要であることから、乳房切除症例でセンチネルリンパ節に転移が認められた場合、リンパ節転移が少数であれば、腋窩郭清省略の可能性に期待したい。そこで、当院のセンチネルリンパ節生検が実施された乳房切除術、皮下乳腺全摘術症例で、術後にセンチネルリンパ節に転移(pN1a、pN1mi、pN0i+)が認められた症例で3年以上経過している症例を検討することにした。対象 当院では、これまでに1000例以上のセンチネルリンパ節生検が行われているが、術後にセンチネルリンパ節生検で転移(pN1a、pN1mi、pN0i+)が認められ、乳房切除術、皮下乳腺全摘術のため放射線治療が加えられず、追加郭清も行われなかった症例で、2009年以前の症例、すなわち3年以上経過している症例は16例を検討した。結果 16例の平均年齢は56.8歳、平均浸潤径は1.33cm。最終転移状況は、pN1が2例、pN1miが6例、pN0i+が8例であった。Intrinsic Subtypeは、Luminal Aが14例、HER2が2例で、pN1aであった2例はいずれもLuminal Aで、1例は2個のセンチネルリンパ節転移をもつ乳頭腺管癌、1例は1個のセンチネルリンパ節転移をもつ浸潤性小葉癌であった。最長5年、平均4年の観察期間があるが、いずれの症例も局所再発、腋窩再発、遠隔再発とも認めていない。結語 Luminal Aであれば、転移が2個までであれば、放射線治療がなされなくても、予後良好である可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:手術療法

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