演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

乳癌患者における血清抗p53抗体測定の意義

演題番号 : O37-2

[筆頭演者]
山本 晋也:1 
[共同演者]
千島 隆司:1、足立 しょうこ:1、原田 郁:1、赤塚 壮太郎:2、戸田 陽子:2、有岡 仁:2、長谷川 直樹:3、角田 幸雄:3

1:横浜労災病院 乳腺外科、2:横浜労災病院 腫瘍内科、3:横浜労災病院 病理科

 

【背景】血清抗p53抗体は大腸癌、乳癌など様々な癌種で測定されているが、乳癌においてp53抗体測定に対する大規模な研究はなく、測定の意義は明らかにされていない。【目的】血清p53抗体陽性乳癌の臨床病理学的特徴について検討する【対象・方法】2012年4月から2012年3月まで、当院でp53抗体を測定した131名(乳癌124名、良性7名)を対象とした。同時に血清CEA、血清CA15-3もあわせて測定し、臨床病理学的背景と比較した。【結果】乳癌患者の陽性率はp53抗体が13.7%、CEAが7.2%、CA15-3が4.8%であった。良性疾患では3抗体とも全例陰性であった。良性症例7例を除いた乳癌症例124例の検討では、stage別でみると、stage0-2でp53抗体はCEA(p=0.03)、CA15-3(p=0.01)に比べ有意に陽性率が高かったが、Stage3.4では陽性率に有意差はなかった。このうち局所再発の2例では、p53抗体が陽性、CEA,CA15-3は陰性であった。p53抗体陽性率を臨床病理学的背景で検討すると、乳癌・卵巣癌家族歴(あり28% vs なし10.5% p=0.047)、Triple negative(以下TN)群(TN群43.7% vs非TN群13.2% p=0.007)で有意差を認めた。また同側乳房内多発や両側乳癌患者群などの複数の病変を伴う群(多病変57.1%vs単病変14.5% p=0.016)でも有意に陽性率が高かった。【考察】他癌種においてp53抗体陽性は早期発見と重複癌の可能性が示唆されている。乳癌患者においてもp53抗体陽性の場合は多発や対側乳癌の見落としに注意する必要がある。p53抗体が有意に陽性である患者背景は家族歴、triple negative、多発など遺伝性乳癌に関する因子で有意差を認めており、遺伝性乳癌とp53抗体の関連が示唆された。【結語】抗p53抗体測定は乳癌検診に代わり得るものではないが、いくつかの測定意義があると思われる。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:診断

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