演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

遺伝子発現プロファイルによるTP53ステータスの臨床的有用性

演題番号 : O37-1

[筆頭演者]
高橋 信:1 
[共同演者]
福井 崇史:3、権藤 延久:3、石田 孝宣:4、大内 憲明:4、野水 整:5、角川 陽一郎:6、石岡 千加史:1,2

1:東北大加齢研臨床腫瘍学、2:東北大病腫瘍内科、3:(株)ファルコバイオシステムズ、4:東北大院腫瘍外科学分野、5:星総合病外科、6:宮城県立がんセ乳腺科

 

【背景】近年、乳がんのバイオマーカーとして遺伝子発現プロファイルが注目され、MammaPrint、OncoTypeDXなどが利用可能となっている。しかし、これらは非常に高額であり、本邦では普及には至っていない。我々は乳がんの予後因子として知られているTP53遺伝子変異の有無を予測できる遺伝子発現プロファイルの開発を行ってきた。現在までに、FFPE組織由来のRNAを用いたMultiplex RT-PCRの診断系を確立している。
【目的】TP53遺伝子発現プロファイルについて、臨床病理学的因子およびIntrinsic subtypeとの関連性について検討を行う。また、臨床的有用性について検討する。
【方法】本研究はファルコバイオシステムズ(株)との共同研究として行っている。データベースに公開されている508例のHER2陰性乳がんマイクロアレイデータ(Arrayexpress:E-GEOD-25066)を用いて、遺伝子発現プロファイルからTP53ステータスの予測を行った。予測されたTP53ステータスと臨床病理学的因子およびIntirinsic subtypeとの関連性について統計学的に解析した。また、臨床的有用性を検討するため、予後及び術前化学療法の効果との関連性を解析した。
【結果】TP53ステータスと臨床病理学的因子との関連性においては、Stage、Grade、ER、PRにおいて統計学的有意差(P<0.01)を認めた。また、Intrinsic subtypeにおいては、Luminal AにおいてTP53変異の割合が低かった。予後解析では変異型で有意に予後が不良(p=0.0018)であった。術前化学療法の効果については、変異型群でpCR例が有意に多く認められた。変異型群は予後不良であるが、pCRが得られた症例の予後は野生型の症例と同等であった。この結果はER陽性群、Triple negative群等のサブグループにおいても同様の結果であった。
【結語】遺伝子発現プロファイルによるTP53ステータスは臨床病理学的因子との関連性において、過去の報告と矛盾のない結果であった。TP53ステータスによって、予後、術前化学療法の効果予測か可能であることが独立したコホートデータで検証できた。今後、FFPE組織を使用した診断系を用い、後ろ向き観察研究を行う予定である。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:バイオマーカー

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