演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

大腸癌免疫療法のバイオマーカー

演題番号 : O36-1

[筆頭演者]
硲 彰一:1 
[共同演者]
井上 由佳:1、松井 洋人:1、新藤 芳太郎:1、渡邊 裕策:1、前田 祥成:1、鈴木 伸明:1、吉村 清:1、吉野 茂文:1、吉田 浩二:3、角田 卓也:3、中村 祐輔:2、岡 正朗:1

1:山口大学大学院 消化器・腫瘍外科学、2:シカゴ大学医学部外科内科、3:オンコセラピィ・サイエンス

 

【はじめに】われわれは他治療無効大腸癌患者に対するペプチドワクチン療法の第I相試験を行い、本研究会でも報告してきた。今回、第I相試験の最終結果を報告するとともに、ワクチンの効果と関連するバイオマーカーについて報告する。【方法】Oncoantigen(KOC1、TOMM34、RNF43)と血管新生関連分子(VEGFR1、VEGFR2)由来エピトープペプチド5種類を用いた他治療無効大腸癌に対するワクチン療法第I相試験を施行した。今回、全例の予後情報を更新するとともに、治療前のリンパ球(%)、CRP、CEA、治療前後のCTL反応、投与したペプチドに対する抗ペプチド抗体などと予後の関連性について検討し、ワクチン治療のバイオマーカーとなる因子を探索した。【結果】登録症例の内訳は、各ペプチドを個々に製剤・投与した症例が0.5mg:3例、1.0mg:3例、3.0mg:6例、ペプチドカクテル投与症例が3.0mg:6例であった。これら18例の全生存率は1年50%、2年39%、3年11%で、中央値は11ヶ月であった。予後因子として、治療前にはリンパ球(15%以上vs 15%未満):MST 15M vs 4M 、CRP(1.0 mg/dl未満 vs 1.0 mg/dl以上) :MST 15M vs 3M、CEA(100未満 vs 100以上):MST 29 M vs 4M、などが挙げられ、治療後の因子として、CTL反応(3ヶ月以内)に2種類以上:MST 13M vs 2Mと3種類以上:MST 27M vs 3Mが挙げられた。抗ペプチド抗体は上昇する症例を認めたが予後との関連は認めなかった。また、リンパ球の割合からCTL誘導能を見てみると、リンパ球が15%未満の症例では、2コース以内のCTL誘導数は平均1個、全経過では2個となっており、リンパ球が15%以上の2.93個、3.73個に比較してCTL誘導が不良であった。一方、CRPが1.0mg/dl以上の症例におけるCTL誘導能は、2コース以内が2.33個、全経過で3.33個と、CRP1.0mg/dl未満症例と同等であった。また、化学療法の既治療レジメ数では、2レジメ以降でも2個以上のCTL誘導が認められた。 【考察と結語】リンパ球%が低い症例ではCTL誘導能が不良で予後も不良なのに対して、CRP高値症例では、CTL誘導は認めるが予後不良であった。すなわち腫瘍局所の慢性炎症がCTLの攻撃を阻止すると推察され、その制御が重要と思われた。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:免疫療法

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