演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

転移性膵がんの短期生存例の検討

演題番号 : O35-6

[筆頭演者]
林 秀幸:1 
[共同演者]
近藤 俊輔:1、柴 知史:1、森実 千種:1、池田 公史:2、上野 秀樹:1、奥坂 拓志:1

1:国立がん研究センター中央病院 肝胆膵内科、2:国立がん研究センター東病院 肝胆膵内科

 

【背景】転移性膵がんの予後は悪く、近年のランダム化比較試験でも生存期間中央値 5-11ヵ月と報告されている。その中には化学療法に反応しない極めて予後不良な症例群が存在するが、それらの短期生存例に関する検証は十分になされておらず、その臨床病態を把握することが治療適応を検討する上で重要であると考えられた。【方法】2007年4月から2011年10月までに当科で転移性膵がん(術後再発症例は除く)に対する全身化学療法を施行した256例のうち、治療開始から100日以内に死亡した41症例(16%)を短期生存例と定義し、これらの患者背景、臨床病理学的特徴を調べ、さらには短期生存例における予後予測因子につき後ろ向きに解析した。【結果】患者背景は年齢中央値65歳 (36-82歳)、性別(男性/女性)30/11例、PS(0/1/2) 10/26/5例、病理組織分化度(高/中/低/不明)0/7/23/11例、部位(頭部/体尾部)14/27例、減黄処置(なし/あり)34/7例、疼痛(なし/あり)7/34例、転移臓器(リンパ節/肝/肺/腹膜/その他)27/40/9/27/6例、転移臓器数(1/2/3/4以上)7/10/14/10例であった。一次化学療法の内容はGemcitabine(GEM)単剤療法 36例、GEM+Erlotinib併用療法 1例、その他 4例であり、二次化学療法を施行したのは2例(二次治療移行率5%)のみであった。一次治療の有効性に関しては奏効率0%、病勢制御率20%、生存期間中央値1.7ヵ月、無増悪生存期間中央値 1.1ヵ月であった。短期生存に影響を与えた合併症としては脳梗塞4例、肺塞栓2例、食道破裂1例が認められた。また短期生存例の集団で予後因子につき多変量解析を行った結果、WBC(≧10000/μl)、肝転移が独立した予後不良因子となる可能性が示唆された。【結語】当科での転移性膵がんの短期生存例における検討ではWBC(≧10000/μl)、肝転移が独立した予後不良因子となる可能性が考えられた。本研究の結果から転移性膵がんに対する全身化学療法の導入に際し、肝転移を有するWBC高値の症例に関しては慎重な治療適応の検討が必要であることが示唆された。

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:化学療法

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