演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

去勢抵抗性前立腺癌に対する初期治療別の予後の検討

演題番号 : O34-4

[筆頭演者]
神鳥 周也:1 
[共同演者]
吉野 喬之:2、堤 雅一:3、山内 敦:2、大谷 幹伸:2、宮崎 淳:1、西山 博之:1、福原 喜春:4、宮永 直人:4、島居 徹:5

1:筑波大 医学医療系 腎泌尿器外科 、2:茨城県立中央病・茨城県地域がんセ 泌尿器科、3:日立総合病 泌尿器科、4:水戸済生会総合病 泌尿器科、5:筑波大 医学医療系 茨城県地域臨床教育セ

 

目的:去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)に対するドセタキセル療法は最近では早期に導入される傾向があるが、至適導入時期は明かとはなっていない。そこで、CRPC診断時に導入された初期治療法別に予後を解析し、比較検討する。対象・方法:2005~2011年の間に筑波大学附属病院ならびに関連施設においてCRPCと診断され、初期治療として硫酸エストラムスチンか低用量デカドロンによる二次内分泌療法またはドセタキセル療法が導入された87例を対象に、CRPC診断後の初期治療別のPSA奏効率と予後についてレトロスぺクティブに検討した。統計学的解析は、2群間のPSA奏効率はFisherの正確検定、生存解析はKaplan-Meiyer法とLog-rank検定で行った。多変量解析はCox比例ハザードモデルで行った。結果:二次内分泌療先行群(二次内分泌群)は73例、ドセタキセル療法先行群(ドセ群)は14例であり、前者の中で21例(38%)は、後にドセタキセル療法が施行された。CRPC診断時のPSA中央値は、二次内分泌群では7.31ng/ml、ドセ群では7.22ng/mlと差を認なかったが、CRPCと診断されるまでの期間の中央値は、二次内分泌群の18か月に対し、ドセ群では9か月と短かった。PSA奏効率は、二次内分泌群が42%であるのに対し、ドセ群は79%と有意に高かった(P=0.0183)が、CRPC診断後の生存期間中央値は二次内分泌群26か月、ドセ群26.9か月であり、有意差は認めなかった(P=0.3015)。予後に関わる因子は、単変量解析ではアンドロゲン除去療法後のPSA nadirが4ng/ml以上(P=0.8925)、Gleason score(P=0.0736)、初期治療(二次内分泌療法、ドセタキセル療法)(P=0.3213)、Perfomance status(P=0.3300)、骨転移(P=0.2166)、他臓器転移(P=0.0980)は有意でなく、CRPCまでの期間が12か月未満(P=0.0027)、疼痛または鎮痛剤の使用(P=0.0061)が有意であった。一方、多変量解析では、CRPC診断までの期間が12か月未満(P=0.0128)、疼痛または鎮痛剤の使用(P=0.0186)が独立した予後因子であった。結論:CRPC診断後の初期治療として二次内分泌療法とドセタキセル療法のどちらが導入されても、予後に有意差を認めなかった。ドセタキセル療法先行群は初期内分泌療法の奏効期間が短く、治療方法選択にバイアスがかかっている可能性に注意を要すると考えられた。

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:化学療法

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