演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

岡山県民へのがんと緩和医療の啓発活動、野の花プロジェクト

演題番号 : O33-2

[筆頭演者]
松岡 順治:1 
[共同演者]
高下 典子:1、鍛冶園 誠:3、市原 英基:4、 南 大輔:2、西江 宏行:2、溝渕 知司:4、那須 淳一郎:2

1:岡山大学病院 緩和支持医療科、2:岡山大学病院、3:岡山大学病院 薬剤部、4:岡山大学

 

【目的】われわれは2009年より、岡山県においてがん治療と緩和医療の知識の普及を目的とした「野の花プロジェクト」という市民啓発運動を続けている。市民公開講座を開催し、ラジオ番組を通じた啓発を行う、新聞等の意見広告を行うことの他、岡山県、医師会、介護福祉士会、愛育委員会などの協力の下に、10人程度から1000人までの草の根講演会を年間約40回行っている。さらに、岡山県の委託事業として、緩和医療セミナーを受けた医療従事者にレベルアップ研修会を行っている。今回、岡山県民の緩和ケアに対する理解度およびその経年変化を知り、今後の緩和ケア普及活動の実施計画策定の参考とすることを目的としたアンケートを行った。【対象と方法】岡山県在住で20歳以上の一般県民600人を対象とし、年齢、地域を層別化しランダム化した電話アンケートを2009から連続4年間、毎年10月に行い、比較した。【結果】「緩和ケアという言葉を聞いたことがある」人は2009年37.3%、2010年36.5%、2011年52.5%、2012年46.5%であった。詳しいことまで知っていると答えた人は30.8%、30.1%、30.8%、36.5%と増加した。麻薬の正しい知識の認識率は緩和ケアの認識率とほぼ平行していた。年代別にみると緩和ケアの知識は20代、30代が最も低く、60代が最も高かった。本人・家族ががんに罹患している場合は岡山、倉敷の都市部では認知度は92.7,87.2%と、罹患していない場合に比して有意に高かった。緩和ケアががんの初期から行われるものであるとの認識は4年間を通じて30%と低かった。緩和ケアの知識はテレビによるものが最も多く、新聞、口コミ、医師が続いた。野の花プロジェクトの認知度は6.1%で、単純計算では約12万人の岡山県民に浸透しているものと考えられた。【考察】岡山県においては緩和医療の認識率は増加しつつある。家族のがんが緩和医療の知識を増加させることから、がんの知識を普及させることが緩和医療の普及にも結びつくと考えられたが、同時に初期から行うという緩和医療の本質の普及には更なる啓蒙が必要と考えられた。また、地域格差がみられたことから、医療機関の少ない地域における緩和医療の普及活動が必要であると考えられた。また、疾病に関係ないと考えている年代、主として若年者への啓発活動も必要であると考えられた。

キーワード

臓器別:その他

手法別:緩和医療

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