演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

がん患者の痛みが健康関連quality of life に及ぼす影響に関する検討

演題番号 : O33-1

[筆頭演者]
横山 智央:1 
[共同演者]
高橋 美賀子:2、木戸 毅:3

1:総合病院 厚生中央病院 腫瘍内科、2:オンコロジーセンター 聖路加国際病院、3:アセスメントワーキンググループ がん性疼痛緩和推進コンソーシアム

 

【目的】がんによる痛みが日常生活にどのような影響を及ぼしているかを明らかにし,痛みを評価する際に,より具体的な状態像を想定した質問を行うための改善項目を明確にし,health-related quality of life (HRQOL)向上を目的としたインターネット調査を行った.【対象·方法】がん患者618人を対象に,調査日1ヶ月間の痛みの程度によって3群に割り付けを行い,痛みが無い(numeric rating scale:NRS0)をA群,痛みがNRS1-3をB群,痛みがNRS≧4をC群とした.HRQOLおよび痛みの評価にはEORTC QLQ-C30(European Organization for Research and Treatment of Cancer Quality of Life Questionnaire Core 30)およびBPI-SF(Brief Pain Inventory-Short Form)を用いて,調査開始1週間および24時間における痛みと日常生活の影響について検討を行った.【結果】A群⁄B群と比べC群では有意に全般的QOLおよび5つの機能スケール(身体·役割·情緒·認知·社会)の低下を認め,症状スケールでは特に倦怠感,呼吸困難,睡眠障害,経済的困難で影響を及ぼしていることが示唆された.調査日24時間以内におけるがんの痛みは,下腿(腹側59.2%,背側36.3%)·頸部·肩(腹側34.1%),肩·背部(背側34%)で頻度が高く,最も痛みの強い部位は胸部(14.8%),下腿腹側(9.6%)であった.1ヶ月以内と24時間以内に痛みのある患者(NRS≧4)の比較では,24時間以内に痛みのあった群で有意に全般的QOL,機能スケール,症状スケールが低下することが示唆された.興味深いことに,痛みを有する患者ではがん医療に対するサービスの満足度が有意に低いことが明らかとなり(P=0.0139:A+B群 vs C群),また痛みが強いと経済困難によるスコアが高く,将来への不安が高くなることがわかった.事実,がんを理由に仕事を辞めた患者はC群において,A+B群と比較して高い傾向であった(45.1% vs 28.0%).【結語】がん患者に対する問診では,痛みの強度のみならず,その時期,特に24時間以内の痛みに注目し,その他のHRQOLを低下させる可能性のある倦怠感,身体機能(重い荷物をもつ・長距離歩く),気分情緒(心配ごと・落ち込んだ気分),睡眠障害,呼吸困難にも注意をして診療にあたる必要があると思われ,がんの診断時から長期HRQOL向上を念頭においた多職種による対応が望まれる.
尚、本研究の企画・実施・集計・分析に当たり,NPO法人キャンサーリボンズの協力を得た.

キーワード

臓器別:その他

手法別:緩和医療

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