演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

ヒト間葉系幹細胞への遺伝子導入を用いた大腸癌治療法の開発

演題番号 : O3-6

[筆頭演者]
菊池 弘人:1 
[共同演者]
八木 洋:1、長谷川 博俊:1、石井 良幸:1、岡林 剛史:1、鶴田 雅士:1、星野 剛:1、安田 明正:2、中村 雅也:2、岡野 栄之:3、北川 雄光:1

1:慶應義塾大学 一般・消化器外科 、2:慶應義塾大学医学部整形外科学、3:慶應義塾大学医学部生理学

 

【背景と目的】ヒト間葉系幹細胞 (human Mesenchymal Stem Cell:hMSC) が炎症組織に対して一定の遊走能をもつことは明らかにされているが、癌に対する遊走能については明確でない。我々はこれまでの研究から癌細胞に対しても一定の遊走能を示すことを報告してきた。遊走能を利用したhMSCを介する抗腫瘍効果に関しては複数報告されているが、我々は近年注目されている抗HMGB1作用に着目し検討を行っている。本研究は、hMSCに抗HMGB1作用を持たせることで、近年増加の一途をたどる大腸癌に対し、hMSCを用いた有効且つ副作用のない新しいターゲティング療法を開発することを目的とする。【方法】HMGB1のアンタゴニストであるAbox遺伝子をNucleofectorによってhMSCに遺伝子導入する。導入したAbox遺伝子がhMSCにおいて高発現していることを免疫染色により確認した。またAbox遺伝子を導入し抗HMGB1作用をもたせたhMSCとHMGB1高発現大腸癌細胞株との共培養によって増殖抑制効果がみられるかどうか、WST法を用いて検討した。最終的にin vivoにおいて患者由来の大腸癌細胞または大腸癌細胞株を生着させた免疫不全マウスに、Aboxを高発現するよう遺伝子導入したhMSCを細胞移植し、腫瘍増殖抑制能を評価すると共に、局所におけるAbox / HMGB1発現の解析、病理組織学的変化や新生血管の評価を行い、抗腫瘍効果を検討する。【結果】Abox遺伝子を導入し抗HMGB1作用をもたせたhMSCと腫瘍細胞との共培養からは腫瘍細胞増殖抑制効果は明らかではなかった。しかし新生血管の評価や細胞移植によるin vivoにおける効果検討においてはその有効性を伺わせる所見が観察され、それがHMGB1抑制効果に起因する可能性が示唆された。【結論】hMSCを用いたターゲティング療法は、ヒト大腸癌に対する新しいターゲティング療法の一つとなりうる可能性が示された

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:移植・細胞療法

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