演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

抗腫瘍免疫賦活を目的とした凍結治療

演題番号 : O3-5

[筆頭演者]
山田 敦子:1 
[共同演者]
長田 真二:1、今井 寿:1、佐々木 義之:1、杉山 太郎:1、田中 香織:1、福田 賢也:1、兼松 昌子:1、奥村 直樹:1、松橋 延壽:1、野中 健一:1、高橋 孝夫:1、山口 和也:1、二村 学:1、吉田 和弘:1

1:岐阜大学医学部 腫瘍外科

 

【目的】進行肝腫瘍に対する抗腫瘍免疫賦活を目的とした凍結療法の確立。【対象と方法】臨床例では局所麻酔下エコーガイドにて広汎肝腫瘍16例(大腸癌あるいは胃癌の肝転移再発を5例と3例、胆管・胆嚢癌再発2例、胆管細胞癌3例、乳癌1例、十二指腸gastro-intestinal stromal tumor; GISTを2例)に週1回の凍結治療を可能な限り継続し、アミロイドA蛋白(AA)、interleukin(IL)-6及び10に加えTumor Necrosis Factor-alpha (TNF-α)とIFN-γ/IL4からTh1/Th2比の推移をELISA法にて測定。またin vivo実験系では、Balb/cマウス皮下にCT26大腸癌細胞で作製した腫瘍に対し、CT26凍結壊死ペースト(コントロールはPBS)を腫瘍近傍に毎週注入(凍結群)する治療モデルから腫瘍体積の推移で効果を評価。また肝内に作製した腫瘍に対しても同様に検討を行った。【結果】臨床検討:1.2回しか施行し得ていない2症例以外全例で治療局所の腫瘍壊死及び腫瘍マーカーの低下を認めた。2.治療前AAは平均21.76(μg/ml:基準値は8.0以下)であったが、治療毎に上昇し3回目の平均578.1をピークに以降漸減。3.IL-6の変動はAA及びCRPと連動。抗腫瘍免疫活性賦活症例は非賦活例に比べ、TNF-αが治療前値より1.2倍、Th1/Th2は5.8倍にそれぞれ上昇し、IL-10の上昇が抑制されていた。基礎検討:凍結群とPBS群の腫瘍体積(mm3)はそれぞれ、4.治療2週目に551±426.1と717.5±679.2、4週目には2543.1±2153と3147.1±2752.5であった。5. 4週目の腫瘍重量(g)は凍結群が7.4±2.1で、PBS群が8.5±3.5であった。6.同一マウス上での治療時から次治療までの腫瘍体積増加割合は、凍結群の3.35倍に対しPBS群は5.26倍であった。7.凍結ペースト量を2倍ないし4倍にすると、FGの腫瘍体積はPG に比し1.3±0.23倍ないし1.46±0.11倍となった。8.転移性肝腫瘍モデルにて凍結治療後10日目に生存していたものはクライオ群では7匹中3匹であったのに対し、PBS群では6匹中1匹のみであった。【考察】当科での従来の検討から得られた凍結治療時の免疫賦活にはTh1系優性が重要な因子であるとの推察を証明しえた。今後は腫瘍局所での各因子の発現影響を直接検討する予定である。【結語】進行肝腫瘍に対する治療戦略の一環として凍結治療は十分に期待でき、その効果判定にはサイトカインの変動が有用である。

キーワード

臓器別:肝臓

手法別:腫瘍免疫

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