演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

がん悪液質形成はがん増殖部位により影響される

演題番号 : O3-3

[筆頭演者]
松山 竜三:1 
[共同演者]
古倉 聡:2、石川 剛:2、岡山 哲也:2、木村 礼子:2、吉廣 聡子:2、水島 かつら:2、坂元 直行:3、八木 信明:2、内藤 裕二:2、伊藤 義人:2

1:厚生会武田病院 消化器センター、2:京都府立医科大学 消化器内科、3:百万遍クリニック

 

【背景】がん悪液質は腫瘍の種類によって発生率は異なり、消化器癌や肺癌で多く、乳癌などでは少ないとされる。しかし、同じ癌腫においても悪液質の発現は患者ごとに様々であり、悪液質形成には癌と生体との相互反応が関わっていることが考えられる。今回、マウス大腸がん移植モデルを用いて、がんの移植部位の違いが悪液質形成に及ぼす影響について検討した。
【方法】マウス大腸癌株colon26を1x106個 BALB/cマウスの腹腔内または皮下に投与し、腹膜播種モデル、皮下移植モデルを作成した。担癌後14日目に解剖し体重・精巣上体脂肪重量・腓腹筋重量・心筋重量を比較検討した。また、血漿中の各種サイトカインをBioPlex array systemにて、Myostatin・Activin AをELISAにて、さらに筋萎縮に関わる筋特異的ユビキチンリガーゼであるMuRF1・Atrogin-1の腓腹筋および心筋における発現をRT-PCRにて評価した。
【結果】非担がんマウスと比較し、担がんマウスでは体重、精巣上体脂肪重量、腓腹筋重量が有意に減少した。腹膜播種モデルと皮下移植モデルとの比較では、腹膜播種モデルにおいて体重、精巣上体脂肪重量、腓腹筋重量が有意に減少した。心重量は皮下移植モデルでは有意な低下は認めなかったが、腹膜播種モデルでは有意に減少し、心筋中のMuRF1およびAtrogin-1の発現も有意に増加していた。血漿サイトカインではIL-6とKCが非担がんマウスと比し担がんマウスで有意に高値であった。
【考察】がん悪液質では、脂肪および骨格筋量の低下がみられるが、近年、心筋の萎縮も来すことが報告されている。本検討において、腹膜播種モデルは皮下移植モデルに比し、強く悪液質を誘導し、さらに心筋萎縮も来すことが示された。本検討により、腫瘍の発育部位の差が悪液質形成に影響していることが示唆され、その機序として、腫瘍発育部位の微小環境の差が影響を及ぼしていること可能性も考えられ、今後さらに検討が必要と考える。

キーワード

臓器別:その他

手法別:その他

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