演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

速放性オピオイド鎮痛薬によるオピオイド導入とフェンタニルパッチ移行に関する検討

演題番号 : O29-3

[筆頭演者]
佐々木 愼:1 
[共同演者]
諸橋 大樹:2、大塚 幸宏:3、江島 美保:4、辻川 雄:4、吉村 邦彦:4、三浦 恵美:1、鈴木 規之:1、中山 洋:1、渡辺 俊之:1

1:大森赤十字病院 外科、2:大森赤十字病院 消化器内科、3:大森赤十字病院 泌尿器科、4:大森赤十字病院 呼吸器内科

 

【目的】オピオイド導入薬として強オピオイド徐放製剤が用いられているが、有害事象で導入がスムーズに行えない場合もある。通常レスキューとして用いられる速放性オピオイド薬は徐放製剤に比較して有害事象が出にくく、その導入としてより望ましいと考えられる。実際、米国疼痛学会やNCCNのガイドラインでは速放性鎮痛薬を用いた導入法を推奨している。また第2段階以降は導入薬として用いた徐放製剤をそのまま用量調節薬として用いることが一般的であるが、高用量による有害事象や経口困難な状況を考慮し、早期にフェンタニルパッチへの移行を考慮した方が望ましい状況も多い。そこで速放性鎮痛薬を用いてオピオイドを導入し、その後フェンタニルパッチへ移行する方法の有効性・安全性を検討した。【対象と方法】2011年4月から2013年3月に非オピオイド鎮痛薬で十分な鎮痛効果が得られない癌性疼痛患者20名を対象とし速放性オピオイド鎮痛薬の使用を開始した。鎮痛効果、有害事象を評価し鎮痛効果が安定したと考えられた時点でデュロテップMTパッチを開始し有効性、安全性を評価した。【結果】平均年齢70.7歳、男女比13: 7。原疾患は胃癌5、大腸癌5、肺癌3、膀胱癌2、乳癌2、膵臓癌2、肝癌1例。疼痛部位は腹部8、腰部5、背部5、骨5例と続いた。速放性オピオイド鎮痛薬導入時の疼痛が10段階で5以下が6例で全例良好な鎮痛効果が得られ、grade2以上の有害事象は便秘1、食欲不振1例であった。導入時疼痛が6以上であったのは14例で、11例で良好な鎮痛効果が得られたが、3例はほとんど鎮痛効果が得られなかった。この3例は導入後早期死亡例であった。有効例11例のgrade2以上の有害事象は眠気1、便秘1、食欲不振1例であった。速放性鎮痛薬による鎮痛効果が安定したと考えられた17例のうち、デュロテップMTパッチに移行したのは9例で(3例は原疾患の進行、3例は強オピオイド徐放製剤の導入、2例は速放性オピオイド鎮痛薬のみで治療継続)、うち8例は1ヶ月以上良好な鎮痛効果が得られた。【考察】速放性鎮痛薬を用いたオピオイド導入は有効かつ安全と考えられた。ただし、導入時の疼痛が高度の場合は良好な鎮痛効果が得られにくく、病状の進行も早い症例が多いため、臨床的に早期にオピオイド導入を検討すべきであると考えられた。またフェンタニルパッチに移行可能であった場合、長期の疼痛コントロールが得られ、早期の移行は有用であると考えられた。

キーワード

臓器別:その他

手法別:緩和医療

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