演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

子宮内膜癌は本当にセンチネルイベントか?

演題番号 : O27-6

[筆頭演者]
相原 聡美:1 
[共同演者]
橋口 真理子:1、野口 光代:1、中尾 佳史:1、西山 哲:1、岩坂 剛:1,2、横山 正俊:1

1:佐賀大学医学部附属病院 産科婦人科、2:高邦会 高木病院

 

【背景と目的】子宮内膜癌の大部分は肥満等のリスク要因によるものであるが、約5%が遺伝的素因によるものとされ、Lynch症候群が最も一般的である。汎用される基準としてアムステルダム基準2が用いられ、子宮内膜癌が50%以上の症例でセンチネル癌との報告もある。また、リスク因子である生活習慣病との関連において、内膜癌の罹患者の死因としては内膜癌よりも心血管障害が上回るとの報告もある。この2点について、日本においても同様のことが言えるか当院の症例で検討を行った。【対象と方法】1998年より2007年までに診療を行った子宮内膜癌患者152名について、後方的にカルテ調査を行った。【結果】追跡期間中央値は70か月(6~225か月)で、同時性・異時性癌を発症した患者は38例、lynch症候群関連癌の家族歴を有する患者が46例、どちらかを有する患者73名中、アムステルダム基準2を満たす可能性のある患者は9例であった。子宮内膜癌発症時に癌の既往のある患者22名のうち乳癌が最多で、同時性癌は5名、術後に癌を発症した症例15例のうち大腸癌が最多であった。癌の家族歴のない症例が、家族歴のある症例よりも、同時性・異時性に癌を発症していない症例が、発症した症例よりも、発症年齢中央値、BMIの中央値も低い傾向にあった。追跡可能であった死因では、他腫瘍による死亡3例以外はすべて子宮体癌によるもので、発症前より生活習慣病の合併を有する患者は54例、発症時・発症後に判明した患者は22例と、約半数が心血管障害のリスクを有したものの、内科の併診の継続がされており、心血管障害による死亡例は認めなかった。【考察】重複癌、もしくは家族歴を有する症例は全体の約半数であり、詳細な家族歴の聴取により、アムステルダム基準2を満たす症例が増える可能性がある。生活習慣病の合併を認める症例においても内科医との連携が他病死の減少につながっている可能性がある。【結語】家族歴の詳細な聴取は、遺伝性婦人科癌の可能性のある患者の拾いだしによる他癌の発症や家族の発癌の早期発見のために重要である。遺伝性素因がない場合においても生活習慣の改善、他癌の検診などにおいて、プライマリケア医との連携は重要と考えられた。

キーワード

臓器別:子宮

手法別:疫学・予防

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