演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

血清クレアチニン測定法の違いがもたらす再発卵巣癌化学療法時の血小板減少について

演題番号 : O26-2

[筆頭演者]
矢幡 秀昭:1 
[共同演者]
小林 裕明:1、権丈 洋徳:1、八木 裕史:1、大神 達寛:1、兼城 英輔:1、河野 善明:1、奥川 馨:1、淺野間 和夫:1、園田 顕三:1、加藤 聖子:1

1:九州大 産科婦人科

 

(背景)カルボプラチン(CBDCA)は卵巣癌治療におけるkey drugであり、その投与量はCalvert式で目標AUCと糸球体濾過量(GFR)から算出される。GFRは正確には51Cr-EDTAクリアランスから求めるべきであるが、日常診療では血清クレアチニン(Cr)値からCockcroft法やJelliffe法などの簡便法により算出される。Cr値の測定法には欧米ではJaffe法が、本邦では酵素法が主に用いられるが、後者は前者に比し低いCr値となるため、GFRは逆に高値となり、結果としてCBDCAの投与量は多めとなる。海外のCBDCAを含むレジメンを踏襲する場合、CBDCA+パクリタキセル療法ではパクリタキセルのsparing effectによりCBDCA増量分に起因する血小板減少は比較的目立たないが、他の薬剤との併用では血小板減少を中心にCBDCA関連有害事象が増加することが近年問題視されている。そこで、海外で行われたCALYPSO試験に準じてCBDCA量を算出し、当科で施行したCBDCA+リポソーマルドキソルビシン(CLD)療法に関して、Cr値、CBDCA投与量と血小板減少に関して後方視的に検討することとした。(結果)患者同意のもと感受性再発卵巣癌に対して行ったCLD療法17例の年齢中央値は59歳(44-75歳)、前化学療法レジメン数は1レジメンが11例、2レジメンが2例、3レジメンが2例、4、5レジメンが各1例であった。CLD療法をC:AUC=5、LD:30mg/m2で4週毎に投与した。投与コース数中央値は6コース(2-10コース)、投与前Cr値は酵素法による測定で0.45-0.97mg/dlでJelliffe法によるGFR値を用いて算出したCBDCA投与量は390-800mg/body(中央値:510mg/body)であった。血小板減少はgrade 1を4例、grade 2を3例、grade3を8例、grade4を2例に認めた。grade3/4の血小板減少は10/17例(59%)と高率に認め、うち1例には血小板輸血を要した。(結論)自験例でのでの血小板減少はgrade3/4が16%であったCALYPSO試験より明らかに高度であった。これはCr値の測定方法の違いが主因と思われ、Cr値の補正などによるCBDCA投与量の修正が必要であると考えられた。

キーワード

臓器別:卵巣

手法別:化学療法

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