演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

乳癌補助療法の円滑な導入のための取組み―薬剤師による患者勉強会の有効性の検討―

演題番号 : O24-5

[筆頭演者]
佐々木 俊則:1 
[共同演者]
水谷 三浩:1

1:三河乳がんク

 

【目的】誤解や知識不足に起因するがん治療への恐怖や不安から、化学療法を受容できない乳がん患者は多い。医師は多忙な外来のさなかに丁寧で平易な説明に努めるものの、患者・家族の反応は鈍く、双方に不全感が漂い当惑してしまう外来の風景は稀ではない。そこで当院では補助療法の円滑な導入のために、薬剤師による患者向けの補助療法に関する教育的プログラム(以下勉強会)を開始した。具体的には従来、病理結果に基づき治療決定後に薬剤師が初めて患者と面会し、副作用などの説明にあたっていた様式を改め、治療決定前に薬剤師による患者教育への介入を試みた。今回、同勉強会の効果を検討し報告する。【対象と方法】当院にて2009年4月~2012年10月の期間に手術を施行した患者は611名であった。その中で勉強会未実施期間(2009年4月~2010年2月)の患者128名のうち化療を施行した45名と勉強会実施期間(2010年3月~2012年10月)の患者483名のうち化療を施行した145名を対象とした。勉強会の効果の評価は、同実施前後の化療拒否または承諾まで何回もの説明を要した患者(以下治療拒絶者)や化療を中止した患者(以下治療離脱者)の分布を調査した。【結果】治療拒絶者と治療離脱者を合せると、勉強会未実施の45名中10名(22.2%)に対し、勉強会実施の145名中13名(9.0%)と減少した(p=0.0241)。その内訳は、治療拒絶者は勉強会未実施7名(15.6%)、同実施6名(4.1%)。治療離脱者は勉強会未実施3名(6.7%)、同実施7名(4.8%)であり、勉強会の実施によって治療拒絶者が有意に減少した(p=0.0147)。また治療拒絶の理由は副作用懸念6名、理解不足3名、抗癌剤への恐怖、転院・来院せずなどであり、治療離脱の理由は副作用5名、来院せず、理解不足、経済問題、再発などであった。【考察】勉強会の実施によって「治療拒絶者」「治療離脱者」の発生は有意に減少した。特に治療拒絶者の割合の減少が著しかった。勉強会により化療の重要性や安全性を理解し治療に前向きになれた患者の増加した効果が示唆された。医師からも説明回数や所要時間が減り、患者の理解度が増したと評価された。補助療法の円滑な導入のために、薬剤師は服薬指導から関与するのではなく、患者との信頼関係を構築しつつ、治療決定前から患者教育などに積極的に介入していく有効性が示された。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:チーム医療

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