演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

食道癌におけるIMP3免疫染色の検討

演題番号 : O23-6

[筆頭演者]
高田 晃宏:1 
[共同演者]
瀧口 修司:1、高橋 剛:1、黒川 幸典:1、山崎 誠:1、宮田 博志:1、中島 清一:1、森 正樹:1、土岐 祐一郎:1

1:大阪大院消化器外科

 

【背景】IMP3 (IGF-II messenger RNA-binding protein) は別名 L523S または KOC (K homology domain containing protein overexpressed in cancer) と呼ばれ、4 つの K ホモロジードメインを含む RNA 結合型の癌胎児性タンパクで 580 個のアミノ酸残基から成る。初期胚発生時において正常組織に発現するとともに、RNAの輸送、安定化、細胞の増殖、細胞の移動において重要な役割をはたし癌胎児性タンパクとして、1997年に同定された。その後、子宮頸癌、大腸癌、胃癌、膀胱癌、悪性リンパ腫などの腫瘍に IMP3 の発現があり、腫瘍の良悪性鑑別、予後因子として有用性の報告が散見されるが、食道扁平上皮癌での報告はない。そこで、今回我々は食道癌の切除サンプルを用いて、IMP3の発現と臨床効果について検討し、食道癌の予後マーカーとして有用か検討した。【方法】当科において1998年~2008年までに手術を施行した食道癌切除組織191例を用いて免疫染色を施行し、IMP3の発現と臨床病理学的因子について検討した。【結果】患者背景は年齢中央値:63歳(29-85歳)、男/女:167/24、pT1/2/3/4: 53/30/93/17、pN0/1: 68:123、pStageI/II/III/IV:39/53/63/36例(UICC第7版)。IMP3は191例中113例で陽性であった(59.1%)。IMP3陽性群と陰性群を比較すると、IMP3陽性群の方が有意に進行癌が多かった。全生存期間、無再発生存期間において、IMP3陽性群は陰性群より明らかに不良であった(共にLog rank検定:p=0.0004)。全生存期間において単変量解析ではT因子、N因子、Ly因子、v因子、IMP3残ったが、多変量解析ではIMP3だけが予後規定因子となった(p=0.0335)。また、191例中87例において術前化学療法(FAP療法)を施行したがIMP3陽性群と陰性群において化学療法奏功率を検討したところ両者に差を認めなかった。【結語】IMP3は食道癌において発現を認め臨床腫瘍学的因子と関連し、予後不良因子であると考えられた。

キーワード

臓器別:食道

手法別:バイオマーカー

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