演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

術前治療後食道癌における節外浸潤リンパ節転移の臨床的意義

演題番号 : O23-3

[筆頭演者]
金城 達也:1 
[共同演者]
下地 英明:1、狩俣 弘幸:1、西巻 正:1

1:琉球大 消化器・腫瘍外科

 

【目的】近年,進行食道癌に対して術前化学療法あるいは術前化学放射線療法が広く実施されるが,そのような食道癌における節外浸潤を伴うリンパ節転移(ECI)の意義は明らかではない.今回,術前治療後に根治切除が施行された食道癌症例について,ECIの臨床的意義について考察した.【方法】系統的リンパ節郭清を伴う根治術が施行された85例(術前化学療法32例,化学放射線療法14例,術前未治療39例)の食道癌症例を対象に術前治療の有無とECIに関連する臨床病理学的因子,およびECIの生存率に及ぼす効果を単変量および多変量解析で検討した.術前化学療法はリンパ節転移高度例に,術前化学放射線療法はT4症例に施行された.【結果】85例中,リンパ節転移(pN)は51例(60.0%),ECIは27例(31.8%)にみられた.ECIは術前治療なし群で25.8%,術前治療あり群で41.3%であり,術前治療あり群で有意に陽性率が高かった(p=0.04).術前治療あり群においてECI陽性患者のpN個数は節外浸潤を伴わないリンパ節転移(ICI)のみを有する患者のpN個数より有意に多く認めた(4個vs.1個, p=0.019).さらにECI陽性群ではICIのみの群よりpNを5個以上有する症例数が有意に多くみられた(34.6% vs. 5.6%,p=0.03).またECIは全症例でcT,cStage,pN,pStage,術前治療なし群でpN,pStage,術前治療あり群で年齢,pN,pStageとそれぞれ有意に相関していた.全症例での5生率はECI陽性群で有意に予後不良であった(28.9%vs.66.7%,p=0.002).また術前治療あり群ではECI陽性群では有意に予後不良であったが(61.7%vs.24.5%,p=0.003),術前治療なし群では両群に有意差をみとめなかった.単変量解析では全症例でcT,cStage,pN,pStage,ECI,術前治療なし群ではcT,cStage,pStage,術前治療あり群では,年齢,pStage,ECIが予後不良因子となり,さらに多変量解析ではECIは術前治療あり群で独立予後因子であった(p=0.004, HR=4.5, 95%CI=1.628-12.592).【結語】食道癌においてECIは高度進行食道癌を示す病理組織学的なマーカーであり,ECI陽性例の予後は有意に不良となる.ECIの予後予測能はTumor burdenと関連づけられた術前治療の有無で異なり,ECIはTumor burdenが大きい食道癌に対して施行される術前治療例の予後因子である.

キーワード

臓器別:食道

手法別:バイオマーカー

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