演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

食道扁平上皮癌切除症例の臨床病理学的特徴と予後における性差

演題番号 : O23-2

[筆頭演者]
西野 豪志:1 
[共同演者]
吉田 卓弘:1、山本 洋太:1、古北 由人:1、武知 浩和:1、丹黒 章:1

1:徳島大学大学院

 

【目的】食道扁平上皮癌の臨床病理学的特徴や術後の予後に関する性差を明らかにする.【対象】2004年1月から2013年3月までの期間に当院で切除を行った食道癌170例のうち扁平上皮癌は139であり、男性117例,女性22例であった。臨床病理学的特徴と手術後の予後を男女間で検討した.【結果】患者背景では、男性で有意に喫煙率が高く(男:女=96.6 vs.40.9%,p<0.0001),Brinkman indexも有意に高値であった(938.9 vs.313.9,p<0.0001).飲酒歴についても同様で,男性で有意に高頻度であった(91.5 vs.31.8%,p<0.0001).フラッシャーは,男性で有意に多く(70.9 vs.40.9%,p=0.012),男性でアルデヒド脱水素酵素活性がより低いと考えられた.臨床的因子として,併存疾患の有無,主占拠部位,組織型,T因子,N因子,Stage,術前治療の有無には男女間で有意差を認めなかった.術前化学療法を行った症例に限定すると,切除後の病理検査でGrade2以上の組織学的治療効果が認められた症例は,女性に有意に多く(36.1% vs.66.7%,p=0.028),化学療法の感受性は女性がより高いと考えられた.食道癌の化学療法耐性や予後を反映するバイオマーカーとして有用とされているp53蛋白の免疫染色の結果,陽性率は男性で有意に高かった(48.6% vs.25.0%,p=0.021).術後合併症の発生率を比較すると,男性で有意に高かったが(52.8% vs.28.6%,p=0.019),合併症の内容には有意差を認めず,術後在院日数にも有意差を認めなかった(40.7:32.9日,p=0.11).疾患特異的生存率を比較すると女性が有意に予後良好であり,5年生存率は男性56.52%,女性95.0%(p=0.015)であった.Coxの比例ハザードモデルを用いた多変量解析では,性別(HR:0.097, p=0.002),深達度(HR:0.394,p=0.036)が独立した予後因子として抽出された.【結語】喫煙・飲酒などの生活背景が大きく異なる男女では食道癌の発癌メカニズムが異なり、結果として化学療法の感受性や予後に性差が生じることが示唆された.

キーワード

臓器別:食道

手法別:バイオマーカー

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