演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

食道扁平上皮癌術前補助療法後節外浸潤と臨床病理学因子との関連

演題番号 : O23-1

[筆頭演者]
三枝 晋:1 
[共同演者]
毛利 靖彦:1、大井 正貴:1、田中 光司:1、石野 義人:1、安田 裕美:1、北嶋 貴仁:1、志村 匡信:1、近藤 哲:1、奥川 喜永:1、問山 裕二:1、井上 靖浩:1、内田 恵一:1、楠 正人:1

1:三重大学 消化管・小児外科学

 

【背景・目的】食道癌は,最も予後不良な腫瘍の一つであり,近年その罹患率は増加している. 食道癌に対する術前補助療法は,resectabilityの向上,局所再発制御,予後の改善に寄与している.しかしながら,食道癌の根治率は約20%と未だ低く,その制御が急務である.今回,我々は, 術前補助療法後食道扁平上皮癌の節外浸潤:Extracapsular Lymph Node Involvement (ECLNI)と臨床病理学的因子との関連について検討した.【方法・対象】当科にて術前補助療法後手術を施行した食道扁平上皮癌患者36例(術前化学療法16例:FP療法2クール;化学放射線療法20例:FP療法+30-40Gy)を対象に行った.郭清リンパ節総数1083個中リンパ節転移陽性数は73個であり,顕微鏡下にECLNIの有無を確認した.また,原発巣と転移リンパ節における術前補助療法の組織学的効果についても比較検討した.【結果】年齢中央値は69歳,男女比 5:1,観察期間中央値14ヶ月であった.36例中9例(25%)にECLNIを認めた.ECLNI陽性は,腫瘍径(>40mm)(P = 0.0112),lymph node density:LND (≧20%)(P = 0.0009),advanced stage(P = 0.0038),リンパ管浸潤(P = 0.0057),非R0切除(P = 0.0009),組織学的効果不良(P = 0.0216)と有意な相関を認めた. ECLNI陽性例では, ECLNI陰性例と比し,有意に全生存率不良であった(P = 0.0044).また,術前化学療法,化学放射線療法群での検討においても, ECLNI陽性例は,陰性例に比し,有意に全生存率不良であった(化学療法:P = 0.0310;化学放射線療法:P = 0.0098).組織学的検討では,転移リンパ節中心部の組織学的変化(硝子化・線維化)は強く認められるものの,遺残癌細胞は,リンパ節被膜下・辺縁洞付近に最も多く観察された.原発巣と転移リンパ節における組織学的効果に有意な相違は認めなかった.【結語】術前補助療法後食道扁平上皮癌ECLNI陽性は,有意に予後不良であった.ECLNI制御が食道扁平上皮癌の予後改善に寄与する可能性が示唆された.本検討では症例数36例と少なく, 更なる症例の蓄積と観察期間を要すると考えられる.

キーワード

臓器別:食道

手法別:トランスレーショナルリサーチ

前へ戻る