演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

乳癌前化学療法後の病理学的完全消失の定義とその予後はIntrinsic subtype別に異なる

演題番号 : O21-6

[筆頭演者]
和田 徳昭:1 
[共同演者]
米山 公康:1、山内 稚佐子:1,3、康 裕紀子:1、岡田 淑:1、藤井 誠志:2、長谷部 孝裕:3、向井 博文:4

1:国立がん研究セ東病 乳腺外科、2:国立がん研究セ東病 臨床開発セ 臨床腫瘍病理部、3:国立がん研究セ東病 病理科・臨床検査科、4:国立がん研究セ東病 乳腺・腫瘍内科

 

【背景・目的】乳癌術前化療(NAC)後のpathologic complete response (pCR)の定義は様々であり、subtype別にpCRと予後の影響を明らかにする.【対象・方法】NAC後2002.6から2012.12までに根治手術を施行した浸潤性乳癌Stage II-III 452例を対象とした.針生検の結果からLuminal A (LA; 108例)、Luminal B-Ki67高値 (LB-Ki; 89例)、Luminal B-HER2陽性 (LB-HER2; 38例)、HER2陽性 (HER2; 77例)、Triple Negative (TN; 140例)にsubtype分類した.NACには全例Anthracycline / Taxaneが使用されており、Herceptin使用は57例であった.腫瘍本体の癌遺残により3群に分類した.病理学的完全消失群:ypT0 49例、乳管内成分のみ遺残群:ypTis 55例、浸潤癌遺残群:ypTinv 348例.ypT0とypTisを合わせてpCRと定義する.観察期間中央値51ヶ月[6-135]であり、p<0.05を有意差ありとした.【結果】年齢中央値53歳[26-76]で、化療前臨床的腫瘍径中央値4.0cm[1.1-15].全体でのypT0, ypTis, ypTinv頻度はそれぞれ11%、12%、77%であった.subtype別でその頻度は異なり、LuminalだとpCRは2-11%と低くかった.non-Luminalにおいて、TNではypT0, ypTisがそれぞれ19%, 11%、HER2では18%、36%であり、HER2ではypTisの頻度が高く有意差を認めた.全生存率(OS)を比較すると全体ではypT0が最も予後良好で5年累積生存率97%、一方ypTisとypTinvはそれぞれ84%と80%であった.ypT0と残り2群にはKaplan-Meier曲線にてLog-rank testで有意差を認めたが、ypTisとypTinv群間に差はなかった.ypTis群内ではリンパ節転移ありが有意に予後不良であった.subtype別のOSはLuminalは全体として予後が良かった.pCR率の高いTN、HER2の予後が全体の中では悪く、特にTNではypT0とならなければ予後は期待できなかった.LuminalのNAC後pTinvでは、リンパ節転移陽性と化療後のKi67高値が有意に予後不良に影響していた. 【まとめ】NAC後ypT0は全症例で予後良好の指標となる.pCRの予後に対する影響はsubtypeで異なる.non-LuminalでypTisの予後はypTinvと同等で、特にリンパ節転移ありが不良である.LuminalではypT0達成は困難でNACの適応にはならないであろう.Luminalはnon-Luminalと比べて長期予後は期待できるが、ypTinvであった場合、リンパ節転移陽性、遺残浸潤癌のKi67高値が予後不良の指標である.

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:化学療法

前へ戻る