演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

non-pCR乳癌において術前化学療法前後におけるKi-67の減少は予後予測因子となりうるか

演題番号 : O21-5

[筆頭演者]
舛本 真理子:1 
[共同演者]
松原 伸晃:1、佐々木 政興:1、内藤 陽一:1、細野 亜古:1、向井 博文:1、伊藤 国明:1

1:国立がん研究センター東病院 乳腺腫瘍内科

 

背景:乳癌術前化学療法後の病理学的完全寛解(pCR) は、乳癌患者の長期予後の予測因子として認知されている。しかしpCRとならなかった(non-pCRの)症例において、確立された予後予測因子はない。 Ki-67が術前化学療法後に減少することは良好な予後と相関するといわれているが、その詳細についての検討は十分なされてはいない。本研究ではnon-pCRの患者において、Ki-67の減少と予後との関係を調べた。方法:乳癌術前化学療法(アンスラサイクリン単独またはアンスラサイクリン+タキサン)をうけ、その後に手術を行った450人の患者について後方視的に検討した。ホルモン受容体、HER2受容体、 Ki-67は、免疫染色法で術前・術後の各組織において調べた。術後non-pCRの患者を、術前化学療法後のKi-67の変化によって次の通り3つのサブグループに分けた。1)High-reduction group(Ki-67が術前化学療法前後で80%以上減少)、2)low-reduction group(Ki-67が術前化学療法前後で0%~80%減少)、3)increase group(Ki-67が術前化学療法前後で増加)。これらのサブグループ間で、recurrence free survival(RFS)を比較した。結果:19.5%の患者でpCRを達成した。non-pCRの患者のうち、Ki-67が減少していたのは64% (232人/362人)であり、Ki-67減少率の中央値は60%であった。15%の患者がhigh-reduction group、63%がlow-reduction group、22%がincrease groupであった。追跡期間の中央値は64.5 か月であり、5年間のRFSは3つのサブグループ間で有意に異なっていた(p<0.0001)。また、免疫染色で分類したHER2 (p=0.033)、triple negative (p=0.034)、luminal subtype (p=0.001) の各サブタイプ別でも、同様に3つのサブグループ間でRFSに有意な差がみられた。high-reduction groupの患者は、pCR群と同等のRFS であった (hazard ratio:1.124, p=0.792)。結論:non-pCRの患者群において、術前化学療法後の Ki-67の減少はRFSの予測因子として有意である。non-pCRであっても高度にKi-67が減少した患者は、pCRの患者と同等に良好な予後が期待できる。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:バイオマーカー

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