演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

ER陽性・HER2陰性乳癌における予後因子としてのPgR発現状況の重要性

演題番号 : O20-6

[筆頭演者]
黒住 献:1,4 
[共同演者]
松本 広志:1、黒住 昌史:3、坪井 美樹:1、久保 和之:1、戸塚 勝理:1、林 祐二:1、二宮 淳:1、武井 寛幸:1、大久保 文恵:2、永井 成勲:2、井上 賢一:2、大庭 華子:3、堀口 淳:4、竹吉 泉:4

1:埼玉県立がんセンター 乳腺外科、2:埼玉県立がんセンター 乳腺腫瘍内科、3:埼玉県立がんセンター 病理診断科、4:群馬大学 臓器病態外科学

 

近年,ER陽性・HER2陰性乳癌ではKi67の標識率によって予後の良好なLumina A群と不良なB群に分類することがスタンダードになってきたが,さらに最近ではPgRの発現状況も重要な予後因子になる可能性が示唆されている.今回,我々は日本人のER陽性・HER2陰性乳癌症例においてPgR発現状況と長期的予後との関連性について検討し,予後予測の至適なcutoff値について追究したので報告する.【症例と方法】2000年から2001年に当院で手術を施行した5mm以上の浸潤部分のあるInvasive carcinoma, no special type (NST)のうちER陽性,HER2陰性であった177例を対象とした.中央観察期間は131か月であった.免疫染色の判定では,ERはASCO/CAPの基準である1%以上を陽性とした.PgRはAllred (A-)scoreとJ-scoreで評価し,各scoreと長期予後との関連性について検討を行った.また,J-score 3aと3bの中間的な位置にある20%についても検討を行い,最も有意なp値を示すcutoffを追究した.【結果】A-score (score 2-8)では,7点以上を陽性とした場合,PgR陽性群が陰性群に比べて無再発生存率(RFS)と乳癌特異的生存率(CSS)の両方において最も有意に良好であった(p=0.0032,p=0.0001).proportion score (score 1-5)では,4点以上(>1/3)を陽性とした場合,陽性群と陰性群のRFSとCSSに最も有意な差が認められた(p=0.0016,p=0.007).J-score (1-3b)では,3b(>50%)を陽性とした場合が,RFSおよびCSSで最も有意な差がみられた(p=0.0022,p=0.0002).score 3aと3bの間の占有率20%以上を陽性とした場合,陽性群と陰性群とのRFSとCSSは全てのcutoff値の中で最も小さいp値が得られた(p=0.0003,p<0.0001).nuclear grade 1,2群に限った場合でも,PgR発現において20%をcut offとした場合にCSSにもっとも大きな差が認められた(p=0.0016).【考察】日本人のER陽性,HER2陰性乳癌においてPgRの発現状況が有意な予後因子であることが明らかになった.cutoffについては陽性細胞の占有率と強度の両方を考慮したA-scoreよりも占有率20%をcutoff値にした場合の方が低いp値が得られることが示された.予後良好とされているER陽性・HER2陰性,NG低値な乳癌においてもKi67とは別にPgRの発現状況を評価することにより,さらに予後良好な群を選別できる可能性が示唆された.

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:バイオマーカー

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