演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

原発不明として紹介された転移性悪性腫瘍118例の後方視的検討

演題番号 : O2-5

[筆頭演者]
酒井 リカ:1 
[共同演者]
高崎 啓孝:1、渡辺 玲奈:1、服部 友歌子:1、高橋 寛行:1、石ヶ坪 良明:2、本村 茂樹:1

1:神奈川県立がんセンター 腫瘍内科、2:横浜市立大学大学院医学研究科 病態免疫制御内科学

 

目的:原発不明がんは、がん全体の約1-5% と稀な疾患ではないが、標準治療法は確立しておらず、日常臨床において診断のための検査や治療の判断に苦慮する事が少なくない。これまでに原発不明として紹介された転移性悪性腫瘍を検討した。対象と方法:2007年1月~2013年3月に当科に原発が不明として紹介された血液系腫瘍を除く転移性悪性腫瘍に関して診療記録をもとに後方視的に検討した。結果:118例が抽出された(年齢中央値64歳:23—84歳、男性68例、女性50例)が、このうち37例(31%)は受診時のPS不良や本人の希望により当院での精査を受けずに終診となった。残る81例中31例(26%)はその後の精査により原発巣が確定され、これに基づいて治療方針が決定された。原発巣は肺がん11例、乳がん5例、頭頸部がん3例、胃がん2例、卵管・卵巣がん2例、胚細胞腫瘍2例、横行結腸がん、甲状腺乳頭がん、前立腺がん、胆のうがん、肉腫が各1例であった。50例(42%)は原発巣が確定されず、原発不明がんと最終診断された。50例中の13例は原発不明予後良好群としてこれに準じた治療法が選択された。女性でがん性腹膜炎の腺癌4例は手術+化学療法、女性で腋窩リンパ節のみの腺癌5例は腋窩廓清±化学ホルモン療法±照射を、低分化神経内分泌腫瘍4例は小細胞肺がんに準じた治療が選択された。13例中最終転帰が確認された11例の3年生存率は43.6±21.2%であった。37例は原発不明予後不良群に分類され、年齢中央値62歳(35—78歳)、男性27例、女性10例、組織は腺癌44%、低分化腺癌17%、扁平上皮癌17%、低分化癌22%であった。22例(59%)は初期治療としてCBDCA+PTXが施行され、9例(24%)は診断時よりBSCが選択された。37例中最終転帰が確認された22例の3年生存率は19.8±9.3%であった。CBDCA+PTX 後に局所照射を施行した2例および肝部分切除を施行した1例は寛解状態で2年以上生存していた(805、927、1484 days)。考案:原発不明癌はヘテロな疾患群であるが、予後良好群を抽出し適切な治療方針を決定することは重要である。予後不良群の一部には化学療法+照射あるいは外科的切除により、長期生存例も確認されたが、標準治療の確立には臨床試験による治療が望まれる。

キーワード

臓器別:その他

手法別:化学療法

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