演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

乳癌センチネルリンパ節生検陰性症例における腋窩リンパ節再発予測因子の検討

演題番号 : O19-5

[筆頭演者]
松本 暁子:1 
[共同演者]
高橋 麻衣子:1、林田 哲:1、神野 浩光:1、北川 雄光:1

1:慶應義塾大学医学部 一般・消化器外科

 

【目的】臨床的リンパ節転移陰性乳癌において、センチネルリンパ節生検(SLNB)は腋窩郭清にかわる標準的診断法として現在確立されている。しかし、センチネルリンパ節(SLN)転移陰性例においても0.5~2%の頻度で腋窩再発が認められ、その予測因子に関する報告は未だ少ない。今回我々はSLN陰性症例における腋窩再発率とその予測因子について検討した。
【方法】2001年1月から2012年12月までに当院でSLNBが施行された腫瘍径3cm以下、臨床的リンパ節転移陰性乳癌1322例のうち、SLN陰性にて腋窩郭清が省略された1033例を対象とした。SLNの同定にはTc-99mスズコロイドと色素の併用法を用いた。術中転移診断はHE染色にて施行し、術後転移診断はIHC染色を追加した。
【結果】対象症例の年齢中央値は57(25~89)歳、平均腫瘍径は1.9(0.5~3.0)cmであった。観察期間中央値54.8か月において、腋窩再発を13例(1.3%)に、遠隔再発を26例(2.5%)に認めた。腋窩および遠隔再発の無再発生存期間中央値は、それぞれ32.6か月と22.7か月(p=0.761)であった。腋窩再発群では無再発群と比較して、有意に脈管浸襲の頻度が高かったが(58.3% vs. 27.6%, p=0.026)、遠隔再発群では有意差は認めなかった。(44.0% vs. 27.6%, p=0.072)高い核異型度は腋窩および遠隔再発のどちらとも有意に関連していた。(p=0.001, p=0.008)また、遠隔再発群では無再発群と比較してEstrogen receptor(ER)陰性の割合が有意に高かったが(41.7% vs. 19.8%, p=0.013)、腋窩再発群では関連を認めなかった。(18.2%, p=0.626)
【結論】SLN陰性乳癌における腋窩再発の頻度は非常に低く、臨床的リンパ節転移陰性症例のSLNBの成績は良好であった。脈管浸襲と核異型度は、SLN陰性症例における腋窩再発の予測因子として有用であると考えられた。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:手術療法

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