演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

乳癌経験者を対象とした就労に関する意識調査

演題番号 : O18-5

[筆頭演者]
赤羽 和久:1 
[共同演者]
藤井 正宏:1、不破 嘉崇:1、榊原 佳子:2、渡邊 祥子:2、近藤 俊美:2、村田 透:1

1:愛知県がんセンター愛知病院 乳腺科、2:愛知県がんセンター 愛知病院 看護部

 

【はじめに】がん対策推進基本計画の重点的に取り組むべき課題のひとつとして、がん患者の就労を含めた社会的な問題への対応が追加された。我々は、先行研究として名古屋大学腫瘍外科教室並びに関連施設で乳癌診療に従事する医師を対象として、乳がん患者の就労支援についての意識調査を行い、医師の就労支援に対する認識は高いが、日常業務の多忙さから十分な配慮や支援が行えていない現状を報告してきた。【目的】医師と患者の就労に対する意識の相違を評価することを目的とした。【方法】2010年1月から2012年12月までの間に当科で乳がん手術を施行したpStage0-3cの乳癌症例で65歳以下のうち、1)再発を認めず、2)当科で術後の治療または経過観察を行っている患者271名を対象にアンケート調査を行った。【結果】アンケート開始から2週間で135名(回収率49.8%)の回答を得たので中間解析を行った。回答者の年齢中央値は51(範囲27-65)歳で、治療前の就労状況は正社員26名(19.3%)、派遣社員・契約社員9名(6.7%)、パート・アルバイト42名(31.1%)、自営業・農家17名(12.6%)、就労なし41名(30.4%)であった。135名中44名(32.6%)に化学療法が施行され、アンスラサイクリン(A)系19名、タキサン(T)系5名、A→T20名であった。抗癌剤の副作用で最も就労に影響するものは、脱毛(32名)、倦怠感(30名)、吐気(23名)の順であった。44名中23名(52.3%)が認知・思考力の低下を自覚した。化学療法中の就労については13名(29.5%、A→T:4、A:7、T:2)が就労可と回答した。治療後にしばらく休めば就労可との回答は21名(47.7%)であり、化療終了後の必要と思われる休業期間は3ヶ月以内が81%であった。【考察】医師を対象とした先行研究では、化学療法時の就労についてA系およびT系レジメン投与時はそれぞれ76%および33%が就労困難との回答であった。今回の検討より、レジメン内容にかかわらず、抗癌剤治療中の就労を可とする意見がみられた。この結果は投与レジメンによって就労可否を判断するのではなく、患者自身の就労状態(作業内容、環境、上司の理解など)により就労可否を検討し、必要に応じて就労が継続できるように配慮する必要があることを示唆している。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:QOL

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