演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

当科における超高齢者乳癌の検討

演題番号 : O18-2

[筆頭演者]
高橋 亜紗子:1 
[共同演者]
岡本 康:1、柴山 朋子:1、桐林 孝治:1、西牟田 浩伸:1、萩原 令彦:1、石井 智貴:1、斉田 芳久:1、長尾 二郎:1、草地 信也:1

1:東邦大学医療センター大橋病院 外科

 

【はじめに】日本における乳癌患者数は年々増加の一途を辿っており、また近年の医療技術の進歩により平均寿命自体も延長している。2010年次全国乳がん患者登録調査において、80歳以上の乳癌患者は全体の約6.6%と報告されており、超高齢者乳癌患者は今後さらに増加していくものと考えられる。治療では手術は縮小化され、薬物療法や放射線療法といった多岐にわたる治療が行われているが、超高齢者に対しては併存疾患の存在など様々な因子から、どの程度の治療を行えばよいのか一定の見解が得られていないのが現状である。今回われわれは、当科でこれまでに経験した超高齢者乳癌症例について、その臨床病理学的特徴を検討した。【対象】1991年3月~2012年11月までに当科で経験した乳癌症例中、80歳以上の超高齢者98症例(105乳房)を対象とした。【結果】男性3例、女性95例。平均年齢は84.7歳(80~99歳)であった。Stage別では0期2例、1期26例、2期53例、3期12例、4期12例であり、高齢者では全体と比較してstage3以上が22.8%と多かった。平均腫瘍径は32.7mm (0~160mm)であり、全体では20mm以下の割合が増加しているのに対し、高齢者では進行して発見されることが多かった。病理組織型はIDC 60例であるのに対し、特殊型21例であり、特に粘液癌が13.8%と高率に認められた。ER(+)PgR(+) 52例、ER(+)PgR(-) 17例、ER(-)PgR(+) 4例であり、74.4%と高いホルモンレセプター陽性率であった。手術は87例(82.8%)に行われ、乳房切除46例、乳房温存手術41例であり、非手術は16例であった。腋窩郭清は47例に、センチネルリンパ節生検は16例に施行し、24例は腋窩非郭清であった。周術期には重篤な合併症の発生は認めなかった。内分泌療法81例、経口化学療法15例、放射線療法10例が行われており、内分泌療法は比較的安全に多くの症例で行われていた。観察期間の中央値は954日、死亡26例(乳癌死9例、他病死17例)であった。5年間追跡できた症例は11例(11.2%)であり、追跡が困難であることが示された。【結語】超高齢者乳癌では、合併症の有無や社会的背景、期待しうる余命のQOLなどの高齢者特有の問題を踏まえ、適切な治療法を選択することが望まれる。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:疫学・予防

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