演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

門脈本幹腫瘍栓(Vp4)を伴う進行肝細胞癌に対する動注併用放射線療法の治療成績

演題番号 : O16-6

[筆頭演者]
水上 直久:1 
[共同演者]
永松 洋明:2、出口 章弘:2、豊福 隆将:3、大屋 夏生:3

1:公立八女総合病 放射線治療科、2:公立八女総合病 肝臓内科、3:熊本大 放射線治療科

 

【目的】門脈本幹腫瘍栓(Vp4)を伴う進行肝細胞癌(HCC)は極めて予後不良である。Vp4のHCCに対する動注併用放射線療法の治療成績について検討した。【方法】2004年6月から2012年4月までに遠隔転移を伴わないVp4のHCCに対して動注併用放射線療法を施行し、死亡まで経過を追った15例を対象とした。年齢の中央値は66歳(54~82歳)、Child-Pugh scoreは5点が1例、7点が6例、8点が4例、9点が4例で、腹水貯留は7例(46.6%)でみられた。Vp4の内訳は左右一次分枝〜本幹が7例、左右片方の一次分枝〜本幹が3例、左右一次分枝のみが3例、本幹のみが2例、肝内病変は単結節3例、びまん性2例、多結節10例で、B3以上の肝内胆管浸潤を2例、Vv2以上の肝静脈浸潤を3例で合併していた。腫瘍マーカーのAFPは6.4〜118950(中央値988)ng/ml、PIVKA IIは26-129000(中央値5010)mAU/mlであった。動注先行開始が6例、同時併用開始が9例で、動注はリザーバーを用いてlow dose CDDP+5-FUか、CDDP製剤+lipiodol(chemolipiodolization)後に5-FU持続動注(New FP)か、のいずれかで開始し、その後薬剤変更しながら可能な限り継続施行した。放射線治療はVp部のみに固定3-4門照射の総線量30-60Gy/10-28分割/2-5.5週(大部分が50Gy/20分割/4週)で、正常肝のV30を20%以下、V20を30%以下となるよう施行した。【結果】Vpへの治療効果はCR 4例、PR 9例、SD 2例の奏効率86.7%で、PRの1例は経過中に一旦再増大を認めたが、その他の症例は最後まで制御されていた。肝内病変は最終的に5例で制御、4例で制御不可、6例で一旦制御も再増悪・新病変発生を認め、遠隔転移を5例で認めた。経過中の病変再進行は11例(73.3%)で、初回部位は肝臓が8例、遠隔転移が3例であった。予後は1.3ヵ月〜43.1ヵ月でMSTは5.3ヵ月、1年全生存率は33.3%であった。1年以上生存した5例はいずれも既存の肝内病変が制御されていた。治療により肝予備能の改善を2例で認めたが、治療早期に1例で腎機能低下、1例でPS低下し肺炎を生じ、いずれも治療継続困難となった。【総括】動注に放射線治療を併用することでVpは高率に制御できるが、それだけでは予後は改善せず、予後改善にはさらに既存の肝内病変を制御することが必要である。ただし治療を行っても予後不良例も多く、治療前に有効例を判別する手法の確立が今後必要である。

キーワード

臓器別:肝臓

手法別:集学的治療

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