演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

肝細胞癌に対する術前短期肝動注療法の有効性と周術期に与える影響

演題番号 : O16-5

[筆頭演者]
筒井 りな:1 
[共同演者]
永松 洋明:1、城野 智毅:1、出口 章広:1、平城 守:2、佐田 通夫:3

1:公立八女総合病 内科、2:公立八女総合病 外科、3:久留米大 消化器内科

 

【目的】我々は術後再発抑制を目的に高悪性度な肝細胞癌に対して、肝切除前に短期肝動注療法を施行しており、その有用性および肝切除の周術期に与える影響を検討した。【対象】2003年6月から2012年6月までの期間、当院にて肝切除術を行った肝細胞癌症例75例のうち術前精査で多結節融合型または単結節周囲増殖と考えられた結節、PVTTや肝内転移性病変がみられ高悪性度症例51例を対象とした(平均年齢68.2歳、腫瘍径中央値31.7mm、HBV/HCV/nonBC:11 / 31 / 9 例、Stage I / II / III / IV-A:3 / 24 / 17 / 7例、Child Pugh score 5 / 6:40 / 11例。【方法】肝切除前精査は全例Angio-CTを撮影し、高悪性度の所見が得られた場合、簡易リザーバーを当日留置し、CDDP:10mg+5FU:250mg/day動注を10回施行し簡易リザーバーを抜去、その後肝切除を行った。切除後の無再発生存期間(DFS)をKaplan-Meier法で算出し、術前動注の有無で差がみられるかをLog-Rank検定で比較した。肝動注療法前後および肝切除前の血液生化学的検査値および腫瘍マーカー値の推移を観察し、手術時間、出血量、周術期の合併症、入院期間などに関し、術前動注有症例と動注無症例間の差をMann-Whitney U検定で比較した。【結果】肝切除前動注を施行した12例をA群、動注無の39例をB群とした。A群において肝動注療法から肝切除までの期間は、12日から50日(中央値21日)、リザーバー留置期間は9日から13日(中央値10日)であった。肝動注療法後に一過性の肝機能障害(AST, ALTの上昇)を認めたが肝切除前には改善した。血小板減少は認めず、全例予定手術の施行が可能であった。また肝動注療法の前後で腫瘍マーカー(AFP, PIVKA2)の減少を12例中6例に認めた。両群において手術時間、出血量、入院期間に関しての有意差は認めず、術後合併症に関しては、A群にて1例(創感染)認めたが、肝動注療法に関連した合併症は認めなかった。1年、2年、3年無再発生存はA群で87%、73%、73%、B群で63%、52%、40%でありLog Rank検定ではP=0.057であった。【結論】肝細胞癌に対する術前肝動注化学療法は、肝切除の周術期に与える影響は少なく肝切除は安全に実施可能であり、肝動注を施行した群でDFSは延長する傾向が見られた。高悪性度の肝細胞癌において術前の短期肝動注はDFSを延長し、予後を改善させる可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:肝臓

手法別:化学療法

前へ戻る