演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

Stage IV-B肝細胞癌症例に対する放射線照射併用ソラフェニブ治療

演題番号 : O16-2

[筆頭演者]
出口 章広:1 
[共同演者]
永松 洋明:1、筒井 りな:1、城野 智毅:1、水上 直久:2、鳥村 卓司:3、佐田 通夫:3

1:公立八女総合病 肝臓内科、2:公立八女総合病 放射線治療科、3:久留米大消化器内科

 

現在の肝癌診療ガイドラインでは肝外転移を有する肝細胞癌症例ではソラフェニブが第一選択となっているが、放射線照射を併用したソラフェニブ治療に関してはあまり検討されていない。当院では肝外転移を有する肝細胞癌症例においてソラフェニブが選択された場合には可能であれば放射線治療の併用を行っている。今回我々はStage IV-B肝細胞癌症例に対して放射線照射併用ソラフェニブ治療を導入し、その有効性と安全性に関する検討を行ったので報告する。対象は2009年5月以降に当院で放射線照射とソラフェニブを同時併用したstage IV-B肝細胞癌14例(併用群)で、これらの症例を対象に放射線照射併用ソラフェニブ治療の有効性と安全性の検討を行った。また、放射線照射を同時併用しなかったstage IV-B肝細胞癌17例(非併用群)をコントロール群として両群間でソラフェニブの投与状況、治療効果について比較検討を行った。併用群では照射対象病変はのべ23病変であり、その内訳は骨12病変、腹膜などの軟部組織5病変、肺などの実質臓器3病変、腫瘍栓3病変であった。これらの病変に対してソラフェニブ投与開始後に1回2.5∼4Gyの少量分割照射(総線量の中央値は56Gy)を施行し、終了1-2ヶ月後にRECIST基準を用いて効果判定を行った。その結果では標的病変のみに限っての奏功率は79%、病勢制御率93%であった。また、これらの病変のうち疼痛を含めた何らかの症状を有する病変は10病変であったがうち9病変で放射線照射により症状の改善が得られた。いずれの症例においても放射線照射に伴う重篤な合併症は認められず、照射期間中にソラフェニブの減量または中止を必要とした症例はなかった。次に併用群と非併用群でソラフェニブの投与状況および放射線照射を行った部位を除く治療効果を比較すると、開始用量、1日当たりの投与量、奏功率、病勢制御率には両群間で有意差を認めなかった。しかし、服薬期間は非併用群が2.6ヶ月であるのにたいして併用群では5.1ヶ月と有意に長くなっていた(p<0.05)。ソラフェニブ内服後の生存期間も併用群9.8ヶ月に対して非併用群では6.7ヶ月と併用群で延長する傾向を認めた。以上のことから放射線照射併用ソラフェニブ治療は安全に施行でき、かつ転移による症状をコントロールすることによって結果的にPSが維持され、服薬期間を延長できるのではないか考えられた。

キーワード

臓器別:肝臓

手法別:分子標的治療

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