演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

肝臓癌細胞に対するPolo- like kinase阻害剤とシスプラチン併用療法に関する検討

演題番号 : O16-1

[筆頭演者]
大山 聡:1 
[共同演者]
竹崎 由佳:1、北川 博之:1、宗景 匡哉:1、花崎 和弘:1

1:高知大学医学部外科学講座外科1

 

背景:肝細胞癌は治癒切除後であっても再発率は高く、再発しても肝切除やラジオ波焼灼などの根治的治療が可能であれば比較的予後良好である。しかし適切な再治療法が無い場合の予後は極めて悪い。最近の肝細胞癌におけるPolo-like kinaseの過剰発現が癌において分裂異常を引き起こし、癌形成の原因となるという事が報告されている。またPolo-like kinase蛋白は肝細胞癌に強く発現し予後との関連が示唆されている。実際我々の検討でもPolo-like kinase mRNAレベルと予後との間に正の相関性を認めた。そこで今回、肝癌細胞株により高い殺細胞効果を与える為にPolo-like kinase阻害剤であるBI 2536と従来の抗癌剤であるシスプラチン(cisplatin;CDDP)との併用効果について検討を行った。これまで我々はBI 2536とCDDPの肝臓癌に対する抗腫瘍効果についてMTT Assay法とWestern blot法を用いて報告をしてきた。今回、TUNEL染色とvivoレベルでの検討を追加したので報告する。結果:抗癌剤感受性の違う2系統のヒト由来肝癌細胞株で低濃度のBI 2536単独処理で細胞増殖49%抑制した。BI 2536とCDDPの2剤の併用をしたところ相乗的な細胞増殖抑制効果が見られた(91%;p<0.05)。さらにBI 2536単独あるいはCDDP単独処理より2剤の併用により強力な細胞死誘導効果が観察された。更にTUNEL染色を行う事でアポトーシス誘導が観察された。vivoレベルの検討ではヌードマウスに肝臓癌細胞株(Hepg2)を植皮しBI 2536単独、CDDP単独、2剤併用で投与行ったところ明らかな腫瘍径の縮小がみられた。まとめ: Polo-like kinase阻害剤は非調節性の細胞増殖などの悪性形質の抑制効果が強いと報告がされている。我々の検討でも臨床的に用いられているCDDPの血中濃度より低い濃度とBI 2536の併用により十分な効果を発揮し癌細胞に高い細胞死感受性を与える事ができた。用量依存性に細胞毒性を有する従来の抗癌剤とは異なりBI 2536との併用は細胞周期停止とアポトーシス誘導により殺細胞効果を増殖させる可能性がある。今後Polo-like kinase阻害剤との併用療法により患者の予後の改善に一定の効果が期待される。現在我々はBI 2536とCDDPの併用による薬理学的効果における責任シグナル伝達系を解析中である。

キーワード

臓器別:肝臓

手法別:分子標的治療

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