演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

3つの無作為化試験(GEST, JACCRO PC-01, GEMSAP)の個別症例Dataを用いた統合解析研究

演題番号 : O15-2

[筆頭演者]
古瀬 純司:1 
[共同演者]
奥坂 拓志:2、猪狩 功遺:3、伊佐山 浩通:4、石井 浩:5、中井 陽介:4、今井 翔悟:6、岡村 正太:6、浜田 知久馬:6

1:杏林大学 医学部、2:国立がん研究セ中央病 肝胆膵内科、3:東部地域病 内科、4:東京大 消化器内科、5:がん研有明病 消化器内科、6:東京理科大 工学部第一部経営工学科

 

背景: 進行膵癌において、標準療法であるGemcitabine(GEM)単剤を対照として、GEMとS-1の併用療法(GS療法)の評価を目的とした3つの無作為化比較試験が行われた(GEST, JACCRO PC-01, GEMSAP)。本研究ではこれら3つの試験の個別症例データを統合解析することにより、GEM単独療法に対するGS療法の有用性ならびに効果の期待できる対象を明らかにする。方法:各試験で生存に関して追跡調査を実施し、更新された個別症例の情報を用いて解析を実施した。主要評価項目は局所進行例における全生存期間(OS)、副次評価項目は遠隔転移例、全症例におけるOSとし、本解析研究の結果を解釈するためのデータとして、無増悪生存期間(PFS)、有害事象の種類と発症頻度についても解析を行った。OS、PFSはCoxの比例ハザードモデルによりハザード比を推定し、ログランク検定により群間比較を行った。有害事象はCTC-AE ver 3.0に従って最悪のグレードで評価した。結果:770症例(GEM群389例、GS群381例)を対象に評価が行われた。(GEST:552例, JACCRO PC-01:112例, GEMSAP:106例)。OSのイベント数は738イベント(95.8%)であった。主要評価項目である局所進行例(n=193)のOS中央値は11.8ヶ月(GEM群)、 16.4ヶ月(GS群)であり、GS群は有意にOSを延長した(HR=0.708、 p=0.0220)。副次評価項目である遠隔転移例(n=577)のOS中央値は8.0ヶ月(GEM群)、 9.4ヶ月(GS群) (HR=0.872、 p=0.1102)、全症例(n=770)のOS中央値は8.7ヶ月(GEM群)、 10.5(GS群) (HR=0.823、 p=0.0085)であった。PFSでは、局所、遠隔を問わずGEM群に対しGS群は有意にPFSを延長した。Grade3以上の主な有害事象(GEM群/GS群)は、好中球減少(37.2/57.1)、血小板減少(8.9/15.1)、嘔吐(0.5/3.2)、下痢(0.8/4.0)であった。結論: GS群は、GEM群に対し、局所進行例および全症例で有意にOSを改善した。S-1に対するGEMのOSに対する上乗せ効果は、局所進行例で高かった。有害事象では、血液毒性ならびに消化器毒性をGS群で多く認めた。

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:臨床試験

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