演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

当科における80歳以上の胃癌症例における薬物療法の検討

演題番号 : O141-5

[筆頭演者]
金政 佑典:1 
[共同演者]
佐々木 栄作:1、山口 茂夫:1、原田 介斗:1、高橋 幸江:1、青木 淳:1、下山 達:1、小室 泰司:1、前田 義治:1、岩崎 善毅:2、佐々木 常雄:1

1:がん・感染症セ都立駒込病化学療法科、2:がん・感染症セ都立駒込病外科

 

【背景】高齢化社会の中、胃癌診療でも80歳以上の患者に対し薬物療法を行う機会が増えている。ただし、臨床試験の多くは75歳までを対象としており、それ以降特に80歳以上の超高齢者に対する薬物療法の現状、治療の是非について未だ定まった見解がないのが現状である。【目的・方法】2003年10月~2012年12月に当科で診療した80歳以上の胃癌症例に対する薬物療法の治療成績を後方視的に検討し、問題点を考察する。【結果】該当する症例は33例で年齢中央値;81歳(80-86)、男/女;22/11、PS(0/1/2/3/4);1/24/5/2/1であった。合併症は高血圧17例(51%)、肺疾患10例(30%)、心・脳血管障害9例(27%)、糖尿病4例(12%)で、中等度までの認知障害が5例(15%)に見られた。31例(1st.line症例29、2nd.line症例2)で治療が行われ、2例はPS不良、合併症などの理由で無治療経過観察となった。1st.line症例の初回治療レジメンはTS-1単剤17例が最も多く、TS-1/CDDP5例、5FU/LV2例、MTX/5FU・TXL・SOX・Herceptin/TS-1・Herceptin/XPが各1例、2nd.line症例ではCDDP/CPT-11 2例であった。ただし22例(71%)で投与量減量、投与間隔延長が行われた。1st.line症例29例で2次治療以降へ移行できたのは3例(10%;2次治療1、3次治療2)のみであった。評価可能25例ではPR7例、SD8例、PD10例で奏効率28%であったが、治療施行31例でのTTFは85日(14-917)と短期であった。MSTは207日(22-1269)で1年以上の生存は10例得られた。PS別にはPS=0,1で247日(56-1269)、PS=2以上で56日(22-159)であった。2次治療以降まで施行できた3例のMSTは556日(207-646)と1次治療までの症例の187(22-1269)と比較して長期生存する傾向にあった。なお、最近のHER2陽性2症例ではHerceptinの併用により400日、556日と長期生存が得られている。【考察】80歳以上の高齢者では合併症の頻度が高く、PS低下例が多い。全体として十分な投与量を投与できず短期間で治療中止に終わる症例が多い。しかし、その中でもPS良好例では長期生存する傾向があり、最近のHER2陽性例ではHerceptin併用による効果もみられている。したがって80歳以上の高齢者においてどのような症例に対してどのような治療すべきかの因子を探すことが必要である。対象症例数が少ないことから、今後は全国規模での高齢者、特に80歳以上の超高齢者における予後因子等の検討およびそれを基にした治療開発が望まれる。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:化学療法

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