演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

80歳以上胃癌手術患者に対する補助化学療法の認容性の検討

演題番号 : O141-4

[筆頭演者]
川村 泰一:1 
[共同演者]
杉沢 徳彦:1、三木 友一郎:1、幕内 梨恵:1、徳永 正則:1、谷澤 豊:1、坂東 悦郎:1、安井 博史:2、寺島 雅典:1、上坂 克彦:3

1:静岡県立静岡がんセ 胃外科、2:静岡県立静岡がんセ 消化器内科、3:静岡県立静岡がんセ 消化器外科

 

【背景】高齢者に対する化学療法は適正な指針を示した報告がなく積極的に行われていないが、高齢胃癌手術患者に対する術後補助化学療法(以下補助化療)は将来展望として注目されている。【目的】80歳以上胃癌手術患者における術後1年間の経過をretrospectiveに評価し、高齢者に補助化療が推奨できるかを検討する。【対象】2002.10月以降に根治手術が行われた80歳以上のStage IA-IIIC胃癌患者156例のうち、術前評価でACTS-GCで定められた対象除外基準に抵触しない139例。【方法】1)臨床病理学的因子、2) ACTS-GCで定められた対象選択基準を術後6週以内に充足する割合、S-1初回投与量規準に基づいた至適投与量、3)術後1年以内にPSを低下させたイベント4)補助化療を行った4例の臨床経過を調査する。【結果】1) 臨床病理学的因子は平均年齢82.8歳、性別(男 / 女) 91/ 48例、PS(0 / 1)96/ 43例、平均体表面積1.45m2、術式(胃全摘 / 噴切 / 幽切)36例 / 7例 / 96例、D2郭清(以上 / 未満)51例 / 88例であった。2) 補助化療の対象選択基準を充足した症例は65例(46.8%)で、基準に満たない理由は不十分な経口摂取30例、Cr高値 or Ccr 40ml/min未満29例、術後合併症20例、WBC低値12例、AST or ALT高値3例、Plt低値2例(重複あり)であった。この対象群のS-1初回至適投与量は(基準量 / 1段階減量)27例 / 38例であった。3) 術後1年以内にPSを低下させたイベントは30例(21.6%)に認め、内容は経口摂取困難9例、肺炎4例、脳血管疾患3例、心筋梗塞疑い3例、胆道感染3例、その他8例で、このうち7例(5.0%)に死亡例を認めた。4)補助化療を施行した4例の経過は、完遂1例、中止2例(食欲不振、脊髄梗塞)、死亡1例(間質性肺炎)であった。【結語】ACTS-GCの規定に準ずると、80歳以上の胃癌手術患者における補助化療は約半数の割合で導入可能だが、術後1年以内に再発以外でPS低下をきたすイベント・死亡例が少なからずみられた。現段階では本人の治療意思に従い慎重に行うべきと考えられたが、今後は薬剤投与量・間隔を調整し副作用および有効性の評価が必要である。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:化学療法

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