演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

術後胃癌腹膜播種のタキサン系抗癌剤併用化学療法:腹水制御と抗癌剤腹腔内投与の検討

演題番号 : O141-3

[筆頭演者]
水野 勇:1 
[共同演者]
毛利 紀章:2、石田 理子:1、安井 保:2、社本 智也:2、佐本 洋介:1、角田 直樹:1、佐藤 篤司:1、神谷 保廣:1、竹山 廣光:2、四ツ柳 智久:3

1:名古屋市立緑市民 病 外科、2:名古屋市立大 大学院 消化器外科、3:愛知学院大 薬学 臨床製剤学

 

【はじめに】胃癌腹膜播種(以下:P(+))の手術時P(+)例、及び術後P(+)再発例の治療成績向上にはP(+)例の病態把握に合致した治療選択、特に化学療法(以下:化療)では腹水制御・抗癌剤投与経路の検討が重要となる。【対象・方法】2011年12月迄の胃癌手術1027例のうち、P(+)(113例)の組織型について検討し最近8年間のP(+)31例、及び術後P(+)再発例の化療でS-1+タキサン系剤(ST療法)が出来た(P+)11例の治療経過・腹水状況・予後等を検討した。化療中PDとなり癌性腹膜炎(PC)などに至った場合、腹水制御の状況、及びレジメン・投与経路変更を含め、教室で検討した基礎検討に加え、以前、PC例への徐放化抗癌剤の腹腔内(i.p.)投与の臨床応用を行い得た症例も含め検討した。【結果】全症例に比べP(+)例はpor1,2及びsig例が多く、ST療法の11例の最長生存例は50.3か月、MSTは28.1か月であった。11例中9例にST療法が継続出来たにも拘わらず、化療中止を余儀なくされると中止後平均5.5か月後には腹水貯留を認め、また腹水制御が不能となると殆ど同時期(平均1.9か月後)にはST療法も中止となり、腹水制御不能迄と生存期間には統計学的な差は無かった。このPC例への徐放化抗癌剤:Liposome-Carboplatin(以下:L-C)(i.p.)の基礎的検討ではfree-C(f-C)(i.p.)に比べL-C(i.p.)は腹腔内に高濃度に長くCBDCAが留まり治療効果が認められた。高度腹水のPC例にL-C(i.p.)の臨床応用例ではf-C(i.p.)に比べ、同量のL-C(i.p.)では投与7日後迄も腹水中のCBDCA濃度は血中の数倍以上が続き、L-C:150mg,300mgx3回(i.p.)のみで腹水の消失、腹水細胞診も陰性化、腹水腫瘍マーカーも正常化しその後8か月間腹水の再貯留もなく健在であった。【まとめ】胃癌P+例のST療法中、腹水貯留は予後にも関連し腹水制御が困難となった時は速やかに徐放化L-C(i.p.)等に変更し更なる治療効果を期待すべきである

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:局所療法

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