演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

胃癌術後補助化学療法S-1のコンプライアンスについての検討

演題番号 : O141-2

[筆頭演者]
小林 大介:1 
[共同演者]
神田 光郎:1、田中 千恵:1、山田 豪:1、中山 吾郎:1、藤井 努:1、杉本 博行:1、小池 聖彦:1、野本 周嗣:1、藤原 道隆:1、小寺 泰弘:1

1:名古屋大学大学院医学系研究科 消化器外科学

 

【目的】Stage2/3の胃癌に対してS-1を用いた術後補助化学療法は標準治療である。ACTS-GCより現時点で推奨される投与期間は1年間であり、日常診療ではそのコンプライアンスの維持が重要である。今回、当科における胃切除術後のS-1内服について検討を行い、コンプライアンスを規定する因子の探索を行った。【対象と方法】2003年から2012年までに胃切除術を行い、術後補助化学療法としてS-1内服を行った68例を対象とした。S-1の用法および用量は標準の適正使用基準に準じた。S-1の内服状況をレトロスペクティブに検証し、そのコンプライアンスと有害事象の発生および臨床経過との関連性について検討した。【結果】68例の内訳は男性51例、女性17例、平均年齢63歳(20~80歳)、病期分類はStage1/2/3/4:1/23/34/8例であった。S-1の1年間内服は47例(69%)が可能であり、再発による治療終了は5例、S-1と関連のない事由による治療中止例は3例であった。これらをまとめてS-1完遂群(C群)として検討した。残る13例(19%)は有害事象により1年未満で治療終了となった(AE群)。AE群のS-1治療期間は中央値で62日間(2~217日間)であり、有害事象の内訳は食思不振5例、倦怠感3例、好中球減少1例、その他4例であった。男女比はC群:44/11例、AE群:7/6例とAE群で女性の割合が高率であった。年齢中央値はC/AE群:63/72歳と有意差を持ってAE群が高齢であった。治療開始時の血清Cr値は両群で差は認めなかったが、クレアチニンクリアランス(Ccr)は中央値でC/AE群:83/65 mL/minと有意差を持ってAE群で低値であった。Ccrを三段階に分けて検討した(a/b/c:30-60/60-80/80≦)。それぞれの割合は、C群でa/b/c:7/18/30例(13/33/54%)、AE群でa/b/c:5/5/3例(38/38/24%)とAE群でS-1の慎重投与基準に相当する割合が高率であった。Ccr30-60で初回投与から減量を行っていたのはC群で4例(57%)、AE群で1例(20%)であった。【考察】胃癌術後補助化学療法のS-1投与において、70歳以上の高齢者は有害事象の発生に特に留意せねばならない。S-1の慎重投与例においては、治療コンプライアンスを維持するためにCcrに基づく積極的な減量投与を行うことが有効である可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:集学的治療

前へ戻る