演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

当院での進行・再発胃癌患者における静脈血栓塞栓症発症例の検討

演題番号 : O140-6

[筆頭演者]
小森 梓:1 
[共同演者]
高張 大亮:1、成田 有希哉:1、上垣 史緒理:1、新田 壮平:1、山口 和久:1、野村 基雄:1、村山 巖一:1、谷口 浩也:1、門脇 重憲:1、宇良 敬:1、安藤 正志:1、室 圭:1

1:愛知県がんセ中央病 薬物療法部

 

【背景】担癌患者では一般に凝固亢進状態にあるため静脈血栓塞栓症(VTE)発症のリスクが高い。胃癌患者においてはVTE発症の頻度は5.3-25.5%と報告されている。【目的】進行・再発胃癌におけるVTE(深部静脈血栓症、肺塞栓症)発症の頻度とVTEおよび胃癌の治療経過を明らかにする。【対象と方法】2009年1月から2013年3月までに当院で化学療法を行った進行・再発胃癌318例を対象として、その全治療期間における画像検査で深部静脈または肺動脈に血栓を認める症例を抽出し後方視的に検討した。【結果】11例(3.2%; 95%信頼区間; 1.5-5.8%)にVTEを認めた。血栓の部位は下腿静脈7例、肺動脈6例、腕頭静脈1例であった。その患者背景は年齢中央値(範囲) : 67 (40-86)歳、性別(男/女) 5/6、PS (1-2/3-4):10/1、BMI中央値(範囲): 21.2(16.4-26.9) kg/m2、原発巣(あり/なし) : 9/ 2、組織型(分化型/未分化型) : 3/8、転移臓器個数(0-1/≧2): 5/6、治療前/1次治療/2次治療以降: 2/6/3、投与中薬剤(FU/CDDP/Tmab/PTX/CPT-11/その他): 6/4/2/1/1/2、CVポート有/無: 6/5であった。胃癌診断後からVTE発症までの期間中央値(範囲)は5.2 (0.5-37.1)か月、発症時の症状は下肢疼痛1例、下肢浮腫1例、呼吸苦2例であり、7例は自覚症状を認めず、CTで偶発的に診断された。VTE診断時、D-dimer中央値(範囲): 19.2 (6.2-35.2)μg/ml、6例で原病が増悪傾向であったが、感染症を併発している症例は認めなかった。VTEの治療は抗凝固療法8例、IVCフィルター留置1例、無治療2例であった。6例で化学療法再開可能であり、VTE発症から化学療法再開までの期間中央値(範囲)は19 (7-25)日であった。血栓への治療効果は消失4例、縮小2例、画像評価なし5例であり、その後の経過中に2例でVTE再発を認めた。抗凝固療法を行った8例のうち輸血を要する出血(Grade3)を3例で認めた。VTE発症後の生存期間中央値は2.4か月(95%信頼区間; 1.2-NAか月)であった。【結論】進行・再発胃癌におけるVTEの発症頻度は3.2%であった。適切な抗凝固療法により化学療法再開・継続は可能である一方で、VTE再発を2例とGrade3の出血を3例認め、慎重に経過を診る必要があると考えられた。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:その他

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