演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

胃癌骨転移症例に対する臨床病理学的特徴と集学的治療

演題番号 : O140-3

[筆頭演者]
肥田 圭介:1 
[共同演者]
藤原 久貴:1、千葉 丈広:1、西成 悠:1、渡邊 陽太郎:1、岩谷 岳:1、西塚 哲:1、木村 祐輔:1、新田 浩幸:1、大塚 幸喜:1、柏葉 匡寛:1、佐々木 章:1、水野 大:1、若林 剛:1

1:岩手医科大学 外科

 

【はじめに】胃癌骨転移は比較的まれであるが、激しい疼痛を伴いQOLを著しく損なうばかりではなく予後も非常に不良な病態である。一方、近年新規抗癌薬の導入によりQOLならびに予後の改善が認められる症例を経験するようになった。今回、当科で経験した胃癌骨転移症例の臨床病理学的特徴ならびに集学的治療の効果について検討を行ったので報告する。【対象と方法】2000年1月から2013年3月まで当科で経験した胃癌症例1244例中、骨転移を認めた35例を対象とした。内訳は異時性転移22例(切除術後再発13例、治療経過中診断9例)、同時性転移13例であった。これら症例の臨床病理学的特徴および治療内容、予後に関して検討を行った。【結果】年齢は平均58.5歳(30-84)、男性19、女性16例、組織型は低分化型が28例(80%)であった。発見時自覚症状を伴う症例は24例(68.5%)で腰背部痛が多く、診断方法は骨シンチ17例、CT9例、X線4例、MRI3例、PET2例であった。血液検査上転移症例ではAlp82%、LDH43%,CEA66%,CA19-9 57%において陽性であり、特に経過中Alpの急激な増加が顕著であった。血小板低下を伴う骨髄癌腫症は8例(23%)であった。術後再発例において手術から診断までの期間中央値は1.8年(0.5-6.4)で、初回進行癌が11例、85%であった。骨以外の複数臓器に転移を有する症例が30例で、骨転移単独例はすべて術後再発例であった。治療は化療単独23例、化療+照射4例、照射単独2例、BSC5例で、S-1を含む化療は16例に施行されていた。骨転移診断後の生存期間の中央値は127日、S-1を含む化療症例では167日と有意に延長していた。6か月以上生存例は11例31%で、いずれの症例においても新規抗癌薬が2剤以上投与されていた。化療と手術により長期無増悪生存のえられている1例につき報告する。【症例】40歳代男性。初診時、胸腰椎多発骨転移、No.16およびVirchowリンパ節転移を認めS-1/CDDP療法を施行。リンパ節CR、骨はnonCR/nonPD、経過中原発巣の再増大を認め減量手術を施行、ypT1b(SM),ypN1であった。術後S-1単剤+ゾレドロン酸にてfollow。現在初診時より3.5年経過し無増悪健存中である。【結語】胃癌骨転移例は予後不良であるが、積極的な化学療法の施行により長期生存およびQOLの改善が認められる症例も認められた。早期発見には腫瘍マーカーに加えAlpの増加が有用であり、骨転移を念頭に置いた精査を行う事が重要と考えられた。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:集学的治療

前へ戻る