演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

進行がんや末期がん患者におけるがんリハビリテーション処方時期の検討

演題番号 : O139-4

[筆頭演者]
中山 紀子:1 
[共同演者]
青山 誠:2、佐藤 義文:2、泉田 悠子:2、堀内 絢子:2、山崎 美希:2、畑 慶弥:2、山田 慎也:2、辻 哲也:3

1:慶應義塾大学大学院 医学研究科、2:医療法人 手稲渓仁会病院 リハビリテーション部、3:慶應義塾大学 医学部 リハビリテーション医学教室

 

目的
2006年にがん対策基本法が制定され、2007年からがんリハ研修会が開始され、2010年にはがん患者リハ科の診療報酬請求が新設されるなど、がん医療におけるリハの重要性が周知されつつある。しかし、維持的および緩和的リハの対象である進行がんや末期がん患者に対する適切なリハ開始時期はいまだ不明確である。本研究の目的は、リハ実施がん患者のADL改善度と自宅退院率を年度別に分析し、適切なリハ開始時期を明らかにすることである。
方法
2011年度と2012年度のがんリハ患者636名と752名をカルテより後方視的に調査し、維持的リハ、緩和的リハの患者を対象とした。調査項目はリハ開始時PS、ADL評価として初期と最終FIM総合点、初期と最終総合点のFIM改善度、自宅退院率とし、維持的リハと緩和的リハで年度別に比較。統計学的調査はSPSSを使用し、Mann-WhitneyのU検定、un-paired t testを、ウェルチ法、カイ二乗検定を使用した(α=.05)。本研究は手稲渓仁会病院の倫理委員会承認を得た。
結果
2011年度維持的リハ149名(平均年齢73.2歳)、緩和的リハ47名(70.8歳)、2012年度は180名(70.7歳)、96名(72.2歳)。維持的リハにおける開始時PS2.6⇒2.2(2011⇒2012年度)(p<.001)、初期FIM88.7⇒96.1(<.01)、最終FIM96.3⇒104.9(<.001)、FIM改善度7.7⇒8.8(有意差なし)、自宅退院率91/149名(61.1%)⇒124/180名(68.9%)(有意差なし)であった。緩和的リハにおける開始時PSは3.3⇒2.9(<.01)、初期FIM69.9⇒70.8(有意差なし)、最終FIM32.1⇒45.2(<.01)、FIM改善度-37.9⇒-25.6(<.05)、自宅退院率4/47名(8.5%)⇒18/96名(18.8%)(有意差なし)。
考察
維持的リハについては、2011年度と比較して2012年度にはPSがより高い時期にリハが開始されるようになったが、FIM改善度には有意差はみられなかった。緩和的リハもPSがより高い時期に処方されるようになり、FIM改善度と最終FIMは2012年度が有意に高かった。末期がん患者においても全身状態が良い時期からリハを介入することで、ADLや自宅退院率を高める可能性があることが示唆された。

キーワード

臓器別:その他

手法別:リハビリテーション

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