演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

食道癌手術周術期の臨床データ変化と在院期間の関係

演題番号 : O139-3

[筆頭演者]
上野 順也:1 
[共同演者]
松橋 久恵:2、櫻井 卓郎:3、山口 洋:1、藤田 武郎:4、大幸 宏幸:4

1:国立がん研究センター東病院 骨軟部腫瘍リハビリテーション科、2:国立がん研究センター東病院 看護部、3:国立がん研究センター中央病院 リハビリテーション科、4:国立がん研究センター東病院 食道外科

 

【はじめに】外科手術時には,急性相反応を惹起し骨格筋蛋白の崩壊など様々な代謝変動が生じる.これらの消耗は侵襲から健常時への回復を遅延させる最大の要因となると言われている.今回,周術期における体重などの臨床データや栄養状態が食道癌術後在院期間に及ぼす影響を後方視的に検討した.
【対象と方法】対象は2012年1月~12月までの間に,食道癌に対し食道切除再建術を施行した129例のうち,2期分割手術,サルベージ術を行ったものを除き,一期的根治術を施行した85例とした.内訳は男性71例,女性14例,平均年齢64±8歳,術後在院日数中央値は15日であった.術後在院期間が15日以上を遅延群,15日以下を早期群とし各群の術後在院日数,年齢,術前BMI,術前理想体重差,術前pre ALB,TP,術後CRP peak値,peak outまでの期間,術後7日目の体重BMI減少率をt検定により比較検討した.有意水準は5%未満とした.
【結果】遅延群61例/早期群24例.術後在院日数中央値は20/12(p<0.01).年齢は64.2±7.8/64.0±9.6 .術前BMI(%)21.4±3.4/23.1±3.8,理想体重差(kg)は-1.5±8.6/ 3.3±10.2(p<0.05),pre ALB(mg/dl)25.7±6.4/27.2±5.2,TP (g/dl)7.11±0.51/7.03±0.38,術後CRP peak値(mg/dl)17.0±8.5/16.4±6.0,その期間2.3±0.8/2.0±0.2(p<0.05),術後7日目の体重,BMI減少率(%)-1.7±3.0/-2.6±2.6であった.
【考察】今検討では,術前理想体重差,CRP peak out期間に有意差を認めたが,体重変化率や,術前栄養といった観点では影響を及ぼさなかった.術後在院日数は,複合的な因子がもたらす結果であり,一因子毎の関与は,影響が低かったと考える.しかし,遅延群は術前理想体重差があり,炎症peak outまでの期間に早期群より時間を有した事は,炎症期における内因性蛋白需要に耐えうる能力の差があるいのではないかと推察する.今検討では,体重変化に関わる因子や,骨格筋に関する検討が出来ておらず,体重変化と在院期間との間の関係についての検討が十分ではなかった.今後,体脂肪や,筋肉量などを経時的定量し,周術期における栄養摂取状態,合併症の有無及びリハビリの実施状況について検討し,体重変化や,骨格筋量が在院日数に及ぼす影響を明らかにしていきたいと考える.
【COI開示】今回の演題に関連して,開示すべきCOIはありません.

キーワード

臓器別:食道

手法別:リハビリテーション

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