演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

オキサリプラチン初回投与後の抗がん剤誘発末梢神経障害に関する調査

演題番号 : O139-2

[筆頭演者]
田畑 阿美:1 
[共同演者]
金井 雅史:2、河田 健二:3、堀松 高博:4、坪山 直生:1、松島 佳苗:1、新井 紀子:1、加藤 寿宏:1

1:京都大院医人間健康科学リハビリ科学、2:京都大医附病臨床腫瘍薬理学、3:京都大医附病消化管外科、4:京都大医附病臨床研究総合セ開発企画部

 

【目的】オキサリプラチン(以下L-OHP)の副作用として、急性末梢神経障害とL-OHPの蓄積に伴う持続性末梢神経障害が知られている。特に持続性末梢神経障害は、症状が重症化すると患者のADLやQOLに影響を与える可能性があり、L-OHPの合計投与量が800mg/m²以上になるとその発現率が増加すると報告されている。今回我々は、治療開始初期の感覚の変化をとらえることを目的に本調査を行った。【方法】FOLFOX療法もしくはXELOX療法導入予定の大腸癌患者を対象に、治療開始前と2クール目実施前に、客観的評価として静的触覚検査(Semmes-Weinstein monofilament)と動的2点識別覚検査を左右示指の指腹で実施した。静的触覚検査では、2.83番、3.61番、4.31番、4.56番、6.65番の5本のフィラメントを使用し、感知できた最小値を評価結果とした。また主観的評価として、感覚鈍麻の「程度」と「出現部位」について毎日チェックシートに記入してもらった。「程度」は1~4の4段階評価で、1:症状なし、2:軽度またはIADLに支障がある、3:中等度またはADLに支障がある、4:重度または一人ではADLを維持できない、とした。【結果】2012年12月~2013年3月までに研究参加の同意が得られ、上記の2回の時期に評価可能であった14例(男性7例、女性7例)を対象に検討を行った。平均年齢66.2歳、L-OHP投与量:FOLFOX療法85mg/m²(8例)、XELOX療法130mg/m²(6例)であった。[客観的評価]静的触覚検査:左示指では有意な変化を認めなかったが、右示指において中央値2.83から3.22(2.83以下:触覚正常、3.22~3.61:触覚低下)に変化し、有意な触覚低下を認めた(p=0.048)。動的2点識別覚:左右示指ともに有意な変化を認めなかった。[主観的評価]感覚鈍麻:7日以上持続的に感覚鈍麻を自覚した症例は14例中2例であった。【考察】本調査の結果、自覚症状の乏しい初期の段階から、2点識別覚に先行して、静的触覚が低下する傾向にあった(右>左)。静的触覚低下は把持力調整などに影響する可能性があり、特に物品操作時に物を落としやすくなるなどの危険につながる可能性が考えられる。そのため自覚症状の乏しい治療開始初期の段階から、安全で質の高い生活を維持するために、ADL指導など生活支援を行っていくことが必要であると考えられる。尚、現在も症例集積は継続しており、学会時には新たに追加したデータも合わせた結果を報告する。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:リハビリテーション

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